2011-01-01から1年間の記事一覧

窑洞博物誌 ファサード

窑洞の最大の特徴といっていいのが、開口部が1ヵ所しかない(正確にいうと、カマドの煙突も開口)ということでしょう。カマボコ型にくりぬいた横穴の正面が出入り口であり、採光口となります。建窑でも同じ構造です。以下の写真は、すべて現在無住の建物で…

聖誕節快楽!(メリークリスマス!)

私の前の大家さんのイージャオ(50代)の家族はみな基督教(プロテスタント)の信徒です。それで先日イージャオに、クリスマスはどう過ごすのか聞いてみたら、離石にある教会に行くというので、私も行って見ることにしました。ところが、教えられた西崖底とい…

窑洞博物誌 冬至(dong zhi)

これはこの地だけの風習ではありませんが、昔ながらの風習が、今も生活の中に強く根づいている地域は、どんどん少なくなってきていると思います。この日には町に出た子どもたちも帰ってくるのですが、村ではつい最近選挙があって帰郷しているし、春節も近づ…

窑洞博物誌 油糕(you gao)

きのうキビを挽いていた家に行って、油糕(ヨウガオ)を作るところを写真に撮ってきました。油糕は、結婚式と葬儀のときには、必ず村人に大量に振舞われるものです。子どもの十二歳の誕生日(長子の時だけ)や八十歳のお祝い(当地では、よほどの金持ちでな…

窑洞博物誌 磨(mo)、碾子(nianzi)

手前にあるのが「磨」(モウ)という石臼です。テーブル状の石の上に、2枚の大判焼き状の石が乗っていて、上の穴から穀物を入れます。右手の穴と反対側にあるもうひとつの穴に棒を通して、ふたりで両側から回します。2枚の石の真ん中で穀物が磨かれて粉にな…

村役員選挙

12月12日、3年に1度の村役員の選挙がありました。第9回ということですから、25年目ということでしょうか。主任(いわゆる村長)と副主任がひとりずつ、役員が5人で、そのうち少なくともひとりは女性という、全部で7人が選ばれます。まず前日に、賀家湾選挙委…

窑洞博物誌 炕(kang)

窑洞には炕(カン)と呼ばれる寝台が必ず設置されています。ただし、もともとこの地方の文化ではなく、北方の女真族の文化がその移動と共に広まったと、文献には書いてありました。炕は、部屋の長辺に平行の向きに造るものと、部屋の奥に窓と平行の向きに造…

窑洞博物誌 窑洞(yao dong)

(*何度もご紹介していますが、基本のキなので、改めて) 窑洞(ヤオトン)は、大きく「土窑洞」と「建窑洞」に分かれます。地方によっては、「土窑洞」「石窑洞」、あるいは「靠崖式窑洞」「独立式窑洞」ともいうようです。もうひとつ「沈下式窑洞」という…

最後(?)の孫家溝

臨県に写真を焼きに来たついでに、三交から徒歩で1時間のところにある孫家溝へ本を届けに行ってきました。この村では、7人を取材していますが、その中で最も若く、頭もはっきりしている元八路軍兵士に、もう一度何か語ってもらおうというつもりもありました…

農薬と化学肥料に関して

宿題のレポートがなかなか提出できない気分ですが、とにかく今は“時期でない”ので、正確なことは把握できないです。例によって、みんないうことがバラバラで、字を書いてくれといっても、書けないし嫌がるし、といった具合なのです。これまでにわかったこと…

窑洞博物誌 五脊六shou 猫頭滴水

文革で破壊されたという鵄尾(これは正確にいうと間違いかも、自信ないです)のことを、こちらではshou(ショウ)というのですが、字がわかりません。ここ最近、いつも村の高大夫(ダイフ=医者)のところに聞きに行くのですが、「寿」という字かもしれない…

窑洞博物誌 芫荽(yan sui)

芫荽(ヤンスイ)は、香菜とも呼ばれる、薬味の代表。この地に限らず、中国ではどこに行っても料理の上にこれを振りかけます。他にニラもみじん切りにして薬味にします。ネギもたまに見かけますが、こちらのネギは葉を使うのではなく、根を太らせて、炒め物…

窑洞博物誌 tiao zhou

tiao 箒(ティヤオ ジョウ)、tiaoは竹カンムリの下に召。 どこの家に行っても必ず2つ、3つ、4つは転がっているティヤオジョウは、脱穀したあとのキビの穂で作ります。上の写真ができたて。収穫物の殻を掃き集めたり、庭掃除にも使いますが、実は新品はとて…

窑洞博物誌 獅子(shi zi)

獅子(シーズ)は、このヤオトンの持ち主個人のものですが、現在はここには誰も住んでいません。近くに住む66歳の女性の話によると、「嫁に来たときにすでにあった」けれど、なぜか1体だけで、「相方は見たことがない」そうです。普通は一対になっていて、開…

初雪が降りました。

ゆうべ初雪が降りました。今日、午後2時半の積雪はこんな感じです。先日、崖の縁から転げ落ちたので、今日は廃校になった小学校の庭で遊ばせました。ここなら安心です。今日の雪は水分の多い、春先のようなべた雪でしたが、一日中降りました。でもけっこう暖…

廃屋の屋根に

廃屋の屋根にこんなシーサーが乗っかっているのを今日発見しました。谷筋なので日が落ちるのが早くて、ちょっと暗いですが、なつめのかわいさがぐんと引き立ちますね。ちなみに、写真では“屋根”という感じがしませんが、ヤオトンの屋根は、そのまま道や庭に…

強い日差しの中で

このところ、久々の好天続きで、強い日差しが照りつけています。それでも気温は低く、日も短くなっているので、干しイモがなかなか完成しません。以前大失敗をしたことがあって、生のサツマイモを薄く切って、そのまま干したことがあります。どうもヘンだな…

招賢鎮中心衛生所

一昨日、いつもなつめを預かってもらう賀ゲンワン家のオクサンの弟の息子の結婚式があるということで、頼まれて写真を撮りに行きました。普通なら断る話ですが、なつめが世話になっているのでそういうわけにもゆきません。バイクで20分くらいの大長という村…

麻、たばこ、ニンジン

私自身が日本で見たことがなかった農作物は、先のイーマンジンと、この麻です。繊維を採るものではなく、その実から油を絞るための作物です。このトゲトゲの実が枯れて、その中の種子を収穫して、1キロが12元ほどで売れます。これはもっとも収穫が遅い作物で…

老人相

老人相(ラオレンシャン)というのは、葬儀のときに使う“遺影”のことです。葬儀が終わってからもずっと部屋に掲げておくし、中には、生きている間も壁に飾っている人もいます。この老人相と棺は、60歳も過ぎればだいたい誰でも用意しておくもので、棺を部屋…

仏教徒

賀家湾村にはなぜか基督教(プロテスタント。ちなみにカソリックは天主教)徒がとても多いのです。前の大家さんの家族は全員がそうだったし、その前の前の大家さんも基督教徒でした。村人の1/3がそうだという人すらいますが、実態はわかりません。ただ、いろ…

今日の収穫はこれ

こんな野菜って、日本にもありますか?こっちでは、「イーマンジン」といっているのですが、どういう字を書くかなどという質問はもちろん“愚問”です。で、これはジャガイモやニンジンみたいにどんどん大量に獲れるものではないので、けっこう貴重品です。今…

たかが犬のことだけど

毎年同じことを書いていると思うのですが、今の時期、山の畑を一巡りすると、収穫物がどっさりともらえます。ひとりでは食べきれないのでほとんど断るのですが、それでも無理やり“押し付けられる”ことが多く、それ以上断るのはかえって悪いので、もらって帰…

吉林の秋田小町

先週日本から友人がやって来たので、太原まで迎えに行きました。大きなスーツケースを携えて。とにかく、こちらでは手に入らない食糧品を買い込むためです。友人が空港に到着する前に超市(スーパー)へ行き、まずはわき目も振らずに穀物売り場に直行、米が…

生活が忙しい!

なんだかほんとうに毎日忙しくて、あっという間に10日も経ってしまいました。何がそんなに忙しいかというと、“生活する”ことに時間がかかってしょうがないのです。まずは水汲み。それから2軒の庭の掃除。今は落ち葉の季節なので、毎日です。しかも、薛老師の…

アワ刈り

アワはこれから順々に刈り取ってゆきます。アワといっても、若い人にとっては、道の駅か自然食品店でしか見たことがない穀物だと思います。ましてや畑にどんな姿で実っているのか、想像がつかないことでしょう。私ですら、アワとキビの区別がつくようになっ…

青空に棗

今日こそ、正真正銘一点の雲もない青空が広がりました。打棗はもうどこも終わっているのですが、道を歩いていたら山の上のほうで声がするので行ってみると、ちょうどじいちゃんが木に登ろうとしているところでした。こうやって、ゆっさゆっさと木を揺らして…

キビ刈り

国慶節休暇が終わる頃からまたまた天候がすぐれず、雨もときどき降りました。おかげで気温もどんどん下がって、ゆうべはついにフリースの長袖をひきずり出しました。村人たちもそろそろかまどに火を入れ始めたようです。きのうは強い風が吹いたのですが、今…

撫順よ!

話は少し戻りますが、ウチの学校のツアーでは、毎年撫順を訪れます。あの露天掘り炭鉱で有名な町です。そして、平頂山という、かつて日本軍が村民を大虐殺した地があって、そこの記念館を見学します。とにかく中国はいまどこへ行っても、工事、工事、工事、…

新型農村社会養老保険

わが職場の通信制高校の研修旅行が無事終了して、私は国慶節の最中に30キロの荷物(日本から証言集を持ってきてもらったので)を抱えて、やっとの思いで賀家湾にたどり着きました。どうやら私が村を出た直後に天気の方も回復して、棗も品質は落ちるけれど、…