窑洞博物誌 ファサード

窑洞の最大の特徴といっていいのが、開口部が1ヵ所しかない(正確にいうと、カマドの煙突も開口)ということでしょう。カマボコ型にくりぬいた横穴の正面が出入り口であり、採光口となります。建窑でも同じ構造です。

以下の写真は、すべて現在無住の建物ですが、人が暮らしていると、物が置いてあったり防寒カーテンがかかっていてわかりづらいので、あえて廃屋の写真をご紹介します。なお、壁が白くなっているのは、半年ほど前に、村中の建物に石灰を塗ったためで、これはあちこちの村でやっていて、おそらく流行りなんでしょう。いずれ流れて消えてしまいますが。

上の2枚の写真が一番多いタイプです。扉が右にきたり左にきたりします。また、1枚の扉の場合と、観音開きのものとがありますが、この観音開きのものは、古くなるとなかなかぴっちりと閉まらなくなって、実は私の部屋もいまそれで困っているのです。氷点下の空気がじわじわ流れ込んでくるからです。

1枚目の写真の最上部中央の扉は開閉でき、夏場はここに網を張って、開けているところもあります。これ以外の窓は開閉できません。

真ん中に扉がきているものもありますが、この村ではそれほど多くありません。建てるときの手間が少し余分にかかるのではないかと思います。

この3枚は同じ構造のものですが、上部の窓の両側がレンガになっています。これだと採光がますます悪くなるので、人が暮らす部屋としては適当ではなく、おそらくは倉庫などとして使われた部屋だと思います。木部の造りも雑になっています。

比較的新しく造られた(あるいは改修)窑洞には、やはりガラスが多く使われているようです。

2間つづきの窑洞。右側の部屋には扉がありません。物理的にいっても、間口が横に広いものは危険なので、単独のものを壁の中央あたりで穴をあけて横に繋げます。3間つづきというのも以前見たことがありますが、この村にはありません。