聖誕節快楽!(メリークリスマス!)

私の前の大家さんのイージャオ(50代)の家族はみな基督教(プロテスタント)の信徒です。それで先日イージャオに、クリスマスはどう過ごすのか聞いてみたら、離石にある教会に行くというので、私も行って見ることにしました。

ところが、教えられた西崖底というところまで行っても、その先がさっぱり見当がつきません。それで、いかにも農民工といった感じの、人の良さそうなおっさんがふたり立っていたので道を聞くと、自分たちもそこを探しているというのです。へ〜ぇ、この人たちもクリスチャンなんだと、なぜか違和感があったのですが、いまだにクリスチャンとこの地の農民たちの顔とがしっくりと合わないのです。もちろん偏見ですが。

まさしく氷点下の身を切る寒さの中、3人で何度も道を聞きながら、ようやく探し当てた教会は、ごく普通の3階建ての建物でした。祭壇はなく、教室のようなだだっ広い部屋に、300人くらいの人はいたでしょうか?

私が着いたのは10時半くらいでしたが、その時は、おそらくは牧師さんの説教だったと思いますが、比較的若い女性でした。

実はおととし、カソリックの大きな儀式があったときに、教会で顔見知りの公安とばったり出会ってしまって、写真撮影を禁止されたことがあります。それで、今回もダメだろうと思って、ポケカメしか用意しませんでしたが、もうぜんぜん雰囲気が違っていて、イージャオから、なんでビデオを持ってこなかったんだといわれたくらいです。

それでもとにかく、イージャオから写真撮影を頼まれたので、前から3列目に座って舞台を見上げること3時間。これがまぁ、なんていうか、幼稚園か小学校の“クリスマス会”だったのです。しかも、踊りや劇は、シャレにもならないほどヘタクソだったのですが、しょせん観客は身内ですから、和気あいあいと、遠くからやってきた村人たちには楽しいひとときだったと思います。中高年の女性が多く、みなけっこうおしゃれをして、この日を待っていたのでしょう。小さな子どもたちは、手作りのクリスマスプレゼントをもらって嬉しそうでした。(*2枚目の写真の右端は、もちろん私じゃありませんよ。SONY Cyber-shot で、私のよりずっと明るくて、最新鋭機なんでしょうね)

しかし、なぜ中国人はこうも“軍服のようなもの”が好きなんでしょう?そもそもからして、“軍”というものに何らアレルギーはないようです。

村でも日常的にこれを着ている人が何人かいますが、たとえ聞いてみたところで、「安くて丈夫で動き易くて合理的だから」という答えが返ってくるだけでしょう。それ以上でも以下でもないのです。

どうやらこの教会の関係者の“制服”が、この“軍服のようなもの”らしく、最初に説教をしていた牧師さんも楽隊も聖歌隊も、実はほとんどみな、この“軍服のようなもの”を着ていたのです。以前行った教会の、カソリックの宗教者はみな、日本や西欧と同じような僧服を着ていましたが、プロテスタントというと、こうも“自由”なんでしょうか?

イージャオの手前そんなにすぐに帰るわけにもゆかなかったのですが、ちょうどカメラのカードがいっぱいになったところで席を立ちました。私を知っている人がいて、泊まってゆくように勧められ、3時に食事が出るから、それを食べてから帰りなさいともいわれたのですが、日が暮れるまでに村に戻りたかったので失礼しました。

帰りがけに台所を覗いてみたら、例の実だくさんの汁物(黄土高原版味噌抜きトン汁とでもいったらわかり易いでしょうか)を作っている最中で、それとマントウが出るのだそうです。クリスマスにマントウとトン汁を、300人以上もの信者たちが一堂に揃ってわいわいがやがや口に運ぶとは、なかなかほほえましくも壮観な光景ではありませんか。

ちなみに、村でクリスマスを祝うような催しがあるかというと、それはありません。やはりまだまだ宗教は、土着のものを除けば、おおっぴらに外に出して儀式が執り行われるほどには“公認”されてはいないようです。

(12月25日)