窑洞博物誌 獅子(shi zi)

獅子(シーズ)は、このヤオトンの持ち主個人のものですが、現在はここには誰も住んでいません。近くに住む66歳の女性の話によると、「嫁に来たときにすでにあった」けれど、なぜか1体だけで、「相方は見たことがない」そうです。普通は一対になっていて、開運、平安の守り神です。

60歳のある男性の話によると、昔はもっとあったけれど、「迷信に関わるものは、文化大革命のときにすべて破壊された」そうです。この1体だけが残ったのは、当時ここに住んでいたのが、どうやら村長さんだったようで、危うく破壊をまぬがれました。話をしてくれた男性も、紅衛兵運動に参加した経験があるといっていました。

門の屋根の両脇には鵄尾(しび)という、主に龍の飾り物が付いていたけれど、それらもすべて破壊されたそうです。当時は、賀家湾村の中でも紅衛兵が組織されていました。