新型農村社会養老保険

わが職場の通信制高校の研修旅行が無事終了して、私は国慶節の最中に30キロの荷物(日本から証言集を持ってきてもらったので)を抱えて、やっとの思いで賀家湾にたどり着きました。

どうやら私が村を出た直後に天気の方も回復して、棗も品質は落ちるけれど、まぁまぁの収穫があったようです。休暇で帰ってきた息子や孫たちと一緒に「打棗」(ダァザオ)といって、長い棒で枝をたたいて実を落とし、拾い集めて庭に広げて傷んだものをよりわけます。今年は1キロが2元くらいの売値のようです。

ところで、この写真を撮り終わったところで、じいちゃんとばあちゃんが、何やらさっぱりわからないことを言い合いながら服装を整えてどこかへ出かけようとするのでついて行ってみました。

そして、村長さんの家まで行ってようやくわかったのですが、今年から始まる養老保険の登録に村中の人たちが次々とやってきていたのです。招賢鎮の政府からCANONコピー機も持ち込まれ、同じくCANONのデジカメで顔写真を撮って、政府の人がいろいろ書類に書き込んでいました。ちなみに、CANONが日本企業であることを、それを操作しているご本人は知りませんでした。

標準語が話せる人がいたのでさっそく内容を聞いてみました。

16歳から加入できて、掛け金は、年間ひとり最低100元で、期間は最短15年。保険金が受け取れるのは60歳からで、100元の掛け金の場合、およそ年720元(掛け金や期間によって様々)が受け取れます。現在60歳以上の人は、政府がその掛け金を負担してくれるそうです。

つまり、60歳以上の老夫婦だと、掛け金なしで毎年1440元のお金がもらえるわけで、これはもう文句なしに“良策”ですね。中国社会の貧富の格差をことあるごとに見せ付けられて、むかつくことこの上ない日々(ここには書けないことも多いのです)でしたが、久々に、他人事ながら、嬉しいニュースでした。この養老保険事業は、全中国規模で展開されるそうです。

(10月7日)