2012-01-01から1年間の記事一覧

ほんとうに困ってます!

まるで私が村に帰るのを待っていたかのように、まだ乳離れがすんでないこんな小さな犬を捨てた人がいたのです。どうやらこの村ではなさそうで、他の村から夜中にやって来てこっそり捨てたに違いありません。 当地では犬は放し飼いなので、次々と子供が生まれ…

ようやく普通のくらしに。

ようやくあれこれかたづいて、普通の暮らしに戻りました。1ヶ月空けるとなると、ネズミと埃避けのため、食品・食器はもちろんのこと、ふとんまでかたづけ、水甕の水も凍らないようにしておかねばならないので、それらを元に戻すだけでいろいろ時間もかかるの…

いつものなつめです。

思っていた通り、デブデブのモコモコになっていました。どうです?この肉厚・幅広の背中。でもやっぱり、いつも通りのなつめです。

“朝鮮姑娘”の部屋

今回臨県経由になったのは、パスポートを更新したために番号が変わり、それを公安局に登録に行くためでした。ただし、担当者もすでに顔見知り(なんと、彼のおじいさんの葬儀の写真を撮っている)なので、手続きはわずか3分で済みました。その後、帰国前に出…

“国境の町”のミニレポート

18日のフライトに乗ったのですが、まだ村には帰り着いていません。普段なら、北京から太原に着いて1泊。そして翌朝早目に出れば、離石経由で、その夜のうちに賀家湾まで行かれます。ところが故あって今回は瀋陽経由で東港に向かい、その後太原を経由して、昨…

窑洞博物誌 西紅柿醤(xi hong shi jiang)

ちょっと意外に思われるかもしれませんが、こちらで最もよく使われる調味料というのは、塩、唐辛子、ニンニクに次いで、トマトピューレなんです。調味料というよりは、タレといった方がいいかもしれませんが、麺や餃子やツァツァなどにかけて食べます。どこ…

窑洞博物誌 cece

当地で、もっとも簡単で、もっとも一般的なじゃがいも料理が、cece(ツァツァ)です。料理とはいえないほど簡単なものです。まずはじゃがいもの皮をむきます。日本のピーラーとは反対で、手前から向こうに動かします。器具を使っておろします。小麦粉をまぶ…

窑洞博物誌 石鎖(shi suo)

石鎖(シースオ)といいます。大きさはだいたい1辺が20センチ前後、上は鉄製、下は石製です。 ものすごく重くて、鉄製のものなど、ゆうに20キロは越えています。ここでクイズです。この石鎖の用途は何でしょうか? ヒント;炕(カン)の上で使います。

窑洞博物誌 送飯kuai

飯を送る。ズバリ、弁当箱です。上が陶器、下は錫でできています。 錫の方が高級品で、あまり見かけません。陶器のものは、だいたいどの家にも転がっていて、あまり使われていないので、私はすでに4つゲットしています。どこでもらったかはもう忘れてしまい…

窑洞博物誌 danzi

これは何でしょう?身体に付いた土をはらうダンズ(ハタキ)です。 黄土は砂よりも細かいシルトという粒子(龍角散を想像していただくと近い)なので、こうやってはたけばすぐにきれいになります。

窑洞博物誌 担架 danjia

danjia(ダンジャー)は、特にこの道具に付けられた名前ではなく、ものを担ぐために使う道具一般に使います。 村人たちは、実に簡単な道具だけで、穀物など重いものをいとも簡単に担ぎ上げ、移動させます。これは大豆で、1袋が2、30キロあります。下の招賢の…

窑洞博物誌 qieqie

qieqie(チェチェ)というのは、大豆で作った、この地ではもっとも一般的な保存食で、粟粥の中に入れて食べます。まずは大豆を茹でます。それをひとつひとつ、石や鉄でできた道具の上でつぶします。 もっぱら冬場の仕事で、トントン、トントンとチェチェを打…

春運エレジー

来年の春節は1月23日、あと1週間です。もうみなさんもテレビなどでよくご存知かと思いますが、“民族大移動”が始まります。いえ、もう始まっています。今年は、1月8日からの40日間が「春運」といって、特別ダイヤが組まれたり、取締りが厳しくなったりします…

朝鮮姑娘

李老人の姿が視界から消えたころ、突然樊ばあちゃんが、「この上に朝鮮姑娘が住んでいてね……」と話し出したので、私はびっくりして「そんな大事なこと、ちょっと待って!」と、あわててICコーダーのスイッチを入れました。「白い服に黒いスカート穿いて。私…

窑洞博物誌 耮(lao)

同じく白じいちゃんのところにあった耮(ラオ)と呼ばれる農具。mo(モー)ともいいます。用途は耙と同じで、家畜に曳かせて畑を整えるものです。白文は平地なのでこれらの農具を使う方がずっと効率的ですが、賀家湾などのような山地の段々畑では、そもそも…

窑洞博物誌 耙(ba)

1月1日に行った郝峪塔村の白じいちゃんの家には、面白いものがいろいろありました。ものだけではなく、この白じいちゃん自身がとっても面白い人で、私の写真撮影にものすごく協力的なのです。この農具も、庭の隅に立てかけてあっただけですが、私が写真を撮…

窑洞博物誌 蒿(hao)

白文に行った時に、草を編んで乾燥させたものが何本もぶら下がっていたので、何かと聞くと、じいちゃんが、実際に使い方を教えてくれました。「蚊遣り」だったのです。「蒿」(ハオ)というのは、辞書を引くとヨモギと出ていました。確かに、ヨモギの葉っぱ…

客への眼差し

ここ最近、白文(バイウェン)というところに3回続けて行ってきました。賀家湾が臨県の南西部に位置するのに対して、白文はちょうど反対側の北東部にあたり、距離にして80キロほど、いったん臨県(=城里 その地域の中心部の町をこう呼びます)まで出て乗り…