ようやく普通のくらしに。

ようやくあれこれかたづいて、普通の暮らしに戻りました。1ヶ月空けるとなると、ネズミと埃避けのため、食品・食器はもちろんのこと、ふとんまでかたづけ、水甕の水も凍らないようにしておかねばならないので、それらを元に戻すだけでいろいろ時間もかかるのです。おまけに、途中で合葬の儀式が入りました。

1943年、つまり日本軍に壕の中で焼き殺された女性と、50年前に亡くなったその連れ合い、そして20年前に亡くなった後妻さんと、3人分の遺骨を掘り返して合葬しました。風水師の見立てで、この間はそれができなかったのです。普通は、最後に亡くなった人の葬儀のときに合葬するのですが、70年も前に亡くなった人を弔うという風習も、遺族にとってはなかなかたいへんです。(ビデオを廻したために、写真はありません)

それも無事終わって、きのう、食料品を買い込むために、招賢へ行ってきました。招賢には八百屋(肉なども売っている)が3軒あります。土地の人は自家生産が多いのに、なぜそんなにあるかというと、炭鉱があるからです。四川省の人が圧倒的に多いのですが、彼らはほんとうによく食べ、よく飲む人たちで、それなりにお金はあるから、肉(犬肉も)も魚も野菜もどっさり買い込んで、実に景気よくたいらげます。

で、私もその恩恵にあずかっているというか、つまり、彼らが買ってくれるので、土地の人たちは食べない食品がよく並んでいるのです。村人たちは食に関してものすごく保守的で、“珍しいもの”を、買ってまで口にすることはまずありません。
上の写真はご存知レンコンですが、店に入ったときに箱の中にわずかに売れ残っていました。当然あまりいい状態ではなかったので、「新しいのはないの?これあんまり良くないから」と私がいうと、「それで最後だから、みんな持ってって」、つまりタダであげるからというのです。店の人は食べないのです。こういうことは一度や二度ではありません。帰ってきて、痛んだところをとっても、こんなにたくさんあったので、ラッキー!とばかりに、日持ちする酢レンコンにしました。ちなみに、これまでは白酢(日本で使う酢)を買うのにとても苦労したのですが、(ほとんど)私のために仕入れてくれる店があって、感謝感謝です。

ところで、この野菜は何というのでしょう?私は一瞬、ふきのとうかしらと思ったくらいですが、やはり四川人の好物だそうです。どうやって食べるのかと聞いても、店の人は知りません。食べたことがないからです。