紅い棗

東北から帰って以降、ずっとすっきりしない天気が続いていたのですが、昨日今日と見事な青空が広がりました。暑くなく、寒くなく、高原の散歩には1年で一番いい季節です。
山の畑にはまだ棗の実が残っている木もありますが、これらは人手がなくてそのまま放置されたものです。自然に落下したものや樹上で乾燥が進んでしまったものはおいしくなく、収穫のタイミングは短くて、一気に人手がいるのです。「打棗」といって実を落とすのも力仕事だし、拾い集めた棗を袋につめて下まで下ろすのも老人には大変です。けっきょくは町に出た息子や娘たちが戻ってきて家族総出で行われます。それがちょうど国慶節休暇と重なるというのは、何ともラッキーな偶然ではありますが。

私はこの数日間、棗の世話に明け暮れました。村中棗だらけで、村人たちが次から次へと持ってきてくれるので、ザルやカゴやタライや洗面器やすだれや新聞紙の上に広げて、乾燥させることにしたのです。しかも、ひとつひとつタオルでごしごしと研きました。だからもう、ピッカピカ!こんな手間ひまかけた棗は、村中どこを探してもありません。
夜は雨が降るといけないので、納屋に入れ、そしてまた翌朝それを広げるのですが、乱暴に扱うと傷がついてそこから傷むので、丁寧に1時間はかけて広げます。少し乾燥してくると取り扱いは楽になります。

右側の方がやや黒ずんでいますが、これは採ったばかりのもの。2、3日陽に当てると左側のように紅くなりますが、この後はまただんだん黒っぽくなります。今が一番きれいな色が出ているときです。
明日はまた、村長さんの家の山の木にまだ残っているそうなので、収穫に出かけます。
そうそう、そろそろ夜明けは0℃になるので、なつめの部屋をなんとか新築しなければ。。。当分は、棗となつめの世話に忙しい日々です。
(10月14日)