秋香ばあちゃん 割麦子(ガーマイズ)
中国語は動詞が先に来るので、麦割りは、「割麦子」(ガーマイズ)といいます。さしずめ「夏の季語」といったところでしょうか。
麦は粉に挽いて麺の材料にします。作っている人は数えるほどですが、さすが“農民の鑑”のばあちゃんのイエでは栽培していました。すべて自家消費用です。
6月14日に庭を覗いたら、麦の束が刈り入れてあって、翌日から割麦子するというので、朝の8時に出かけたのですが、ごらんのようにもう陽差しが強烈でとても仕事になりません。それに私のカメラには、フードもフィルターも着けてないので(カメラを買ったらお金がなくなったので)、夕方4時に出直して撮りました。ばあちゃんのヤオトンは谷筋にあって、真東を向いているので、暗くなるのが早く、写真もみな暗めです。
まずはトントンと麦の束を揃えます。
包丁を上に向けて座布団で押さえ、その上で麦の穂をザクッ!と落とします。
それをパッ!と前に投げるのですが(手の先の空中に麦の穂が)、その手つきが何とも手馴れた感じで、一見簡単そうに見えますが、これもなかなか“熟練の技”です。第一麦の穂というのはトゲトゲしていて、私のように若い頃から労働で鍛えてない柔な手でぐっと握ると、それだけでもう皮膚が裂けて血が滲みそうになります。ばあちゃんの手は鋼鉄のように固いのです。
今日の仕事はこれで終わりました。ばあちゃんもかなりの高齢ですが、こんな笑顔をいつまでも見せてほしいものです。
ところで話は飛びますが、今日(28日)朝7時に起きたら停電でした。こういうのはだいたい夜まで来ないし、前回いつシャワーを浴びたのか思い出せないくらい昔のことなので、とにかくシャワーを浴びるために離石に出かけました。先週は写真を出しに臨県まで行ったのですが、そのときはちょうど私のところで、断水のため断られました。
今日こそはとシャワーセットを一式取り揃え、思い切ってとあるホテル(ビジネスとラブホを兼ねたもの)の“ご休憩”にチェックインしてコックをひねったのですが、なかなか水が湯に変わりません。室内に電話がなかったので服を着なおしてフロントまで行くと、故障中で今日は使えないというのです。
こんな程度のことにはとっくに慣れてはいたものの、さすがに涙が出そうになりました。なつめですら10日前には洗ってやったのに、私はいったいいつになったらシャワーが浴びれるのでしょう。その暁にはお知らせいたします。