争奪戦の終わり

しばらく前には、村人から羨ましそうな顔で「お前んとこは、一晩に何百ミリも降ったんだってなぁ」といわれたものですが、それもそのはず、今年はほんとうに旱魃で、今年に入ってから雨らしい雨というのは、ほんの2、3度、降ったような気がする。。。程度だったのです。

それがようやく降りました。23日に少し降り、28日は1日中シトシトと降り続いて、バケツの水のたまり具合から見ると、40ミリは降ったようです。合計すると5、60ミリは降ったようで、今年はあきらめていた粟を急いで蒔きにゆく農民たちの姿があちこちで見られました。

おかげで毎朝恒例の“水戦争”も下火になり、私もオート三輪の音を聞きつけてバケツ持って走らなくてもよくなりました。とにかく、これまでの1ヶ月ほどが、1年で最も水を必要とする時期だったのです。山の畑に蒔いた豆やトウモロコシなどには、もちろん水やりはしませんが、自分の庭などに作った基本的な野菜、つまりカボチャやウリや唐辛子やトマトなどは、ものすごい量の水を必要とし、農民たちは、まさに自分たちが食うために、バケツ1杯の水の激しい争奪戦をやるのです。並ぶとか、譲るとかいう言葉は、この時期この地には存在しません。さすがに殴り合いまではゆきませんが、罵り合いは日常的です。でも見ていると、勝利する人というのは、やはり決まっていますね。

毎朝6時半から7時半くらいの間に2台のオート三輪がやってきて、これまではいつも6時くらいには人がいっぱいたまっていたのですが、今朝はなんとひとりもいませんでした。みな畑に出ているのです。黄色い大地はたっぷりと水を溜め込むことができたし、これからは大口のトマトにも水やりは必要なくなるので、争奪戦も終了したということでしょう。私も朝から走らなくてよくなりました。

もう1ヶ月ほども前に蒔いたコスモスがぜんぜん発芽しなかったのですが、こんな感じでニョキニョキ生えて来ました。雨の力ってすごいものですね。

松葉ボタンも一気に密生してきたので、少しバラしてやらないといけませんね。

秋香ばあちゃんに、麦の穂の色の違いを聞きに行ったら、ちょうど糸繰りをしていました。ばあちゃんひとりだけだったので、やはりまったくお手上げ。日を改めて。

私は買い物カゴの中にビデオやカメラなど一式入れて持ち歩いているのですが、最近は、私が荷物から離れると、なつめがちゃんと荷物番をしてくれるようになりました。教えたわけでもないのに、ほんとうにおりこうさんです。