ヒナの誕生

久々の明るい話題です。チビなつの元々の飼い主はリンナイという、村の幹部のひとりなのですが、1年ほど前から小規模の養鶏を始めたことから、なつをいらないと言い出したのです。庭で放すときに追いかけるからです。それで、他の幹部の家がウチの2軒隣にあって、そこでおばあちゃんが面倒を見ていたわけですが、このおばあちゃんもあまり犬が好きではないようで、けっきょく私がいる間は私のところに“押しつけ”られるわけです。なつにしたって、私のところが1番条件がいいわけだから、私のところを離れません。そろそろビザ切れ帰国の時期も迫っていることだし、どうしたらいいか悩んでいるところです。


で、最近の私は、リンナイの家で卵を買っています。1キロ30元という高価な卵ですが、私もこれくらいの栄養は摂らないといけません。さすがにおいしい卵です。黄身が大きくて、卵焼きにするとほんとうに真っ黄色になります。それで時々リンナイの家に行くのですが、上の写真は4月29日に撮ったものです。抱卵を始めたばかりだそうです。もう1羽抱卵中の雌鶏がいて、そちらはあと10日くらいでヒナが孵るというのですが、考えてみれば、こうやって自然の状態で抱卵しているのを見るのは初めてです。とってもきれいな雌鶏ですね。こうやって21日間ずーーーっと命の元を抱き続けているわけで、何だか見ているだけで感動しました。


それで10日後のおととい、そろそろかなと見に行きました。部屋が暗いので写真がボケていますが、言われた通り、その日の朝に8羽ほど生まれたそうです。昔、夜店の屋台でヒヨコをよく売っていて、何度か買った記憶がありますが、あれはもっと大きくなっていて、こんな小さなふわふわの羽毛のかたまりは初めて見ます。ほんと、なんともいえずかわいいもんですね。このときは、もう1羽増えていて、3羽の雌鶏が抱卵中でした。


で、リンナイが「よかったらひとつ持って行けよ」というので、当然のこと、「欲しい欲しい!」というと、なんと、籠に入った抱卵中の雌鶏を、そのままドカッ!と私に持たせようとするのです。「え〜〜っ!待って、待って。私が欲しいのはヒナ鳥だよ、こんなの持って帰ってどうしろというの?」というと、「大丈夫、このままじっと放っておけば、あと10日で孵るから」とまあ、おおらかというか、とんでもないことをいうおっさんで、大いに興味はあるけど、数日後に家を空ける予定なので、それは丁重に断りました。でも、外出など後回しにできるし、自分の部屋で孵してみたいなぁという誘惑にかられましたが、万一失敗したら雌鶏にもリンナイにも申し訳ないし、なつもいることだし、やっぱりあきらめましょう。それと最近、フランスだかで、人間が卵を温めてヒナを孵した、なんていうパフォーマンスに成功した人がいたけど、愛護団体から動物虐待だとさんざん非難されたそうじゃありませんか。



ところでなつは、夏姿に散髪してやりました。我ながらかなりうまくカットできました。動きまわるのでなかなか難しいのです。


↑これはカットする前。