村民健康診断

いつまでモツかわからないけれど、もう使わないからと、旧式のデバイスをタダでもらって、ようやく今日繋がりました。もらったのは10日前で、中国電信に通信料を払いに行ったのが今月4日でしたが、ここでもなかなか大変だったのです。制度が変わったとかで、再登録するのがこれまで以上に厳しくなったのです。私の場合、この間にパスポートナンバーが変わっているし、ここのオフィスでは外国人を扱ったことがないので、すったもんだのあげく1週間待たされましたが、今日の午後、ケータイに連絡が入りました。私のような世代ですら、ネットがない社会がどんなに不便で退屈なものかほんと〜〜に、しみじみっっっ、、、わかりました。もっとも、このデバイスもいつまで使えるか不安が残りますが、まずは繋がっていますね。

今日は朝から、文化広場で健康診断がありました。60歳以上の人が対象で、4,5年前に始まったそうです。普段村にいない人も、このために戻ってきたので、広場は大賑わいでした。健康診断など、町の病院でやったらものすごく高額なものになります。

のぞきに行ってみると、どうやら、血液検査、血圧測定、尿検査、心電図、腹部CTと、そこそこの基準は満たしているようでした。しかし、私たちが日本の病院で検査着に着替えて、あちこち施設を回るのとは大違いで、なんだか笑えてしまう光景があちこちで展開されていました。


まずは受付からして、酒屋のミニバンの助手席に係員が座っていて、窓から戸籍簿を差し入れて検査票を受け取るのです。血圧測定や採血は外でやっていて、採血といっても指の先を針でプスッと刺して、なんだか検査器で測っていましたが、あんな簡単なものでどこまでわかるんでしょう。


心電図は、いつもだったら、葬儀や結婚式の料理の材料が山と積まれる部屋の中で、みんなに取り囲まれてわいわいがやがややるのです。女性も、ま、おばあちゃんばっかりですが、上半身丸見えでしたね。

チビなつが入ってきてうろちょろするので早々に引き上げましたが、今度検査表というのを誰かに見せてもらうつもりです。何人かに聞いてみると、「ぜんぜん問題なしだったよ」というのですが、いったいどこまで正確なのかどうも怪しいです。それにしても全中国でこの規模でやっているとしたら、それはそれですごいことだと思います。なにしろ農民だけでも9億といわれてますから。


ところで、1か月ほど前ですが、臨県の病院へ行く機会がありました。村のビンボー爺さんの家の長兄が、ずっと胃の調子が悪くて医者に診てもらいたいけれど、病院で何か書類を書かなければならなくなったら、二人とも(じいさんと運転手のシーピン)字が書けないからついて来てほしいというのです。行ったのは臨県人民医院という、新装なったばかりの臨県で一番大きな病院です。


病院へは何度か行ったことがありますが、私が経験した限りでいうと、中国の病院というのは、実に“開放的”なのです。だいたいいつ行っても、診察室に診察されている人以外の人がたくさんいるのです。付き添い人というのはわかりますが、それがひとりふたりではなく、時には4人も5人もいて、それで次の診察を待つ人も勝手に入ってきて他人の診察を見物したがるし、動物病院じゃないのに、犬抱いている人がいたり、医者や検査技師も白衣を着ない人がいるので、誰が医者で誰が患者かさっぱりわからなかったりするのです。

このときも、私がリュック背負ったまま入って行って、画像見ながら写真撮ったりしてるのですが、日本じゃ考えられないですよね。右に写っているのがビンボー家の長兄。しばらく前から調子が悪いといっていたので、私はガンを疑っていたのですが、軽症でよかったです。

ただ、ちょっと驚いたのは、そもそも診察券というのが、ITカードになっていて、この検査結果というのは、廊下に設置してある銀行のATMのような機械に、自分で通してプリントアウトするのです。で、それを持って、内科の医師のところに行って診断してもらって、その後の指示をもらうわけです。まあこれは日本でも同じですが、どの医師のところに行くかは病院側が指定しますよね。

それでどこに行けばいいのかわからないので、私が扉が開いていた診察室の医者に検査表を見せて、どこに行けばいいですか?と聞くと、彼は「そんなのどこでもいいよ、オレでもいいよ」といって、チラッと目を通すなり、「ああ、慢性胃炎だよ、問題ないよ」といって、ささっと処方箋を書いてくれました。しかし、あまりにありがたみの欠ける簡素さに、この人は白衣は着てるけど、本当に医者なんだろうか?と私は疑ってしまったのです。もしかしたら、偶然ここに座っていただけの薬局のおやじじゃないだろうか?だってだって、このおっさん、最初から最後まで、ずーっとくわえタバコだったんですよね。