いったいここはっ!!?????


本来私は、クアラルンプールで用事が済んだらいったん日本に帰り、春節(1月28日)までには中国に戻るつもりでした。ところが安い切符を求めてネット上をウロウロしていたら、なんと、クアラルンプールからプノンペンまで、税込み3118円で行くことがわかったのです。

そこには、20年以上会っていない友人もいることだし、それに、いま村に帰っても寒くて何もすることがないし、こうやってふらふらできるのもそう長くはないだろうし、ビザも空港で取れるらしいし。。。等々と理由をつけ、結局21日のAIR ASIA機で、プノンペンに飛びました。




カンボジアという国は、いかにも日本からは遠い国だし、私自身、何の知識も持っていません。ただ、以前ベトナムに行ったとき、カンボジアの国境では、ビザ取得はもちろん、水1本買うにも、米ドルしか使えない、ということを聞いていたので、いちおうクアラルンプール空港で1万円だけドルに替えて行きました。

1時間50分くらいのフライトで無事に到着。万が一ビザが取れなければ、そのままマレーシアに戻るつもりでした。しかしそれはまったくの杞憂で、30名ほどの外国人(欧米人がほとんど)がカウンター左端に列を作り、申請書をチャチャっと書いて出すと、カウンターの右端から「○○さ〜ん!」と呼ばれて、30ドル払って終わり、この間20分くらいでした。飛行機を降りて、まず最初に出向かえてくれた看板が3枚目の写真です。


拍子抜けするくらいに簡単にビザがおりて、ホンのこじんまりとした国際線ターミナルビルを出たところにあったのがこれ。中心部と結ぶリムジンバスがなくて、TAXIかトゥクトゥクという、バイクTAXIでしたが、ということはそんなに遠くはないなと思った通り、空港を出てすぐにゴミゴミとした商店街のようなところに入り、30分くらいで、予約していたホテルに到着しました。料金はチケット制になっていて、公正料金でしたが、12米ドル。この距離だと、北京や瀋陽よりも高いです。

途中で目に付いたのが、中国語の看板。ホテルや何かの会社や、小さな商店の看板にすら、頻繁に中国語が出現するのです。マレーシアは華人が30%くらい住んでいるらしいので、当然といえますが、カンボジアにはそれほどの人口はないはず。なぜこんなに中国語が多いのか、不思議に思いました。


ホテルは左隣が駄菓子屋、すぐ近くにゴミ溜め場と、きわめて下町にありました。食事をとるのは面倒だったので、酒でも飲んで寝てしまおうと思って、外に出てみました。すでに暗くなっていた界隈の光景は、ちょうど私が高校生くらいだったころの街並みに似て、何軒かの食堂に灯りがともり、何軒かの商店は店じまいに忙しく、路上に椅子を持ちだしたおっさんたちがのんびり雑談に興じ、家路を急ぐバイクが排気ガスを撒き散らして駆け抜ける、懐かしい世界でした。

コンビニがあったのですが、入り口に春節を迎える対聯が貼ってあったのでもしやと思って話しかけてみると、やはり中国語で返ってきました。そしてびっくりしたのが商品の価格表示です。すべて米ドルで表記してあったのです。空港や観光土産品売り場ならともかく、こんな場末のコンビニで、いったいこれはなに?


そしてこれは翌朝にわかったことなのですが、ホテルの朝食ブッフェの中に、お粥とか豆乳とか、なんとなく中華っぽいものが並んでいたので聞いてみると、ここで働いているのはクメール人ですが、経営者は華人なんだそうです。
けっきょく私は、華人経営のホテルに泊まり、華人経営のコンビニで、米ドルで買った韓国産眞露と日本産かっぱえびせんを食べながら、カンボジアの第一夜を迎えたのです。