そればかりが気がかりで。

ほんと、これが同じ国だとはまったく思えないですね。村を出て離石泊。離石から北京まで1時間ほど飛行機に乗り、北京から高速鉄道に5時間ほど乗って、今はほんの1日で、東北の都、瀋陽まで来てしまうのですが、すべてにおけるその格差に関しては何をかいわんや。フツーには、「9億という農民の暮らしを知らずして、中国を理解することなどできない」と、私もまたずっとそう思っていましたが、“逆もまた然り”という真実を、今回ほどしみじみ感じたことはありません。そしてこの都会の空気にもうなじめない自分を見出してしまうのです。

明日の夕方生徒たちがやって来るので、今夜が最後の静かな夜ですが、村に残してきた、ワンとニャーはどうしてるだろうか?ちゃんとご飯もらってるだろうかと、そればかりが気がかりです。チビなつは案の定、持ち主に返しても、放し飼いの身なので、必ず私のところに戻ってきてしまうのです。しばらくの間繋いでほしいと、私の洗濯ロープ付きで返すのですが、四六時中繋いでおくわけにもゆかず、放したとたんに、脱兎のごとく駆け込んでくるのです。今頃私の部屋の前で私を待っているのではないか、ニャーを追いかけて、お隣にぶたれているのではないかと、肝心の仕事のことより気になって仕方がないのです。

とまあ、そんな具合ですが、明日からはそんなことも言っておられず、あさってにはもうハルビンに向かい、731部隊記念館に行かねばならないのです。この先10日間ほどは、たとえパソの調子がよかろうと、ここに書き込む時間はありませんので(さんざんサボっておいて今更ですが)、再びワンとニャーの写真でお茶を濁します。



ニャーはわざわざワンの近くの、高い位置にだいたいいます。



しょっちゅうワンの方を見ていて、ほんとうは仲良くなりたいのかなぁという感じ。


ワンの方はそれほど関心を示さないのですが、ニャーがむしろ挑発するので、突然追いかけたりします。


お隣との塀の上。木の上にもよく登ってます。


これもワンのロープがぎりぎり届かない位置。ほんとイケニャンですね。



今年は雨が多いので、裏の畑の道ももうガタガタ、ボロボロ。


元祖なつめ。ああ、ほんとデブだわ。

追;大事なこと書き忘れてました。昨日午後、20年来の中国人の友人のお宅におじゃましました。彼女は瀋陽師範大学で日本語を教えています。師範大は10年以上前に行ったときは、ほんと〜〜に埃っぽい“荒野”の果てにポツンと建っていたのですが、2年前に地下鉄が通って、瀋陽駅からの時間も1/3に短縮されました。他の大学も移転してきたりして、界隈はとても賑やかな学園地区となり、若者向けのショップが並び、その後ろに高層マンションが並び建ち、すでに昔日の面影はありません。ちなみに、学生数2万、教職員2000人だそうです。

この、かつて荒野の果てだった師範大からバスに乗って、さらに20分ほど北上、つまり郊外に出るわけですが、そこに彼女の分譲マンションはありました。日本ならばため息が出そうな立派な広々とした部屋です。同じ不動産屋の開発で、まわりに何棟も高層や低層のマンションが並び、団地のようになっていました。そこで私はハッと気づいたのですが、若い黒人男女の姿を何人も見かけたのです。

友人がいうには、3年ほど前からアフリカ人留学生がどっと増え、彼女のマンションよりは小さめの部屋を1か月1000元くらいで間借りして、共同で暮らしているんだそうです。しかしアフリカからじゃ家賃だってたいへんでしょうと聞くと、いいえ、政府がたっぷり奨学金を渡しているから大丈夫で、インド人留学生も急に増えたそうです。日本も最近はアフリカ市場の開拓に力を注いでいるようですが、注ぎ方のスケールが違うようだと納得したものです。