ワンとニャーでくたびれたぁー!

3日前のことですが、しばらく見なかった“チビなつめ”がやって来ました。一見まったくフツーでしたが、後ろ足の付け根のところに大きな穴が開いているのを発見したのです。中の肉が丸見えで、本人、いえ本犬はぜんぜん痛がっていないのですが、見てるこっちの方がドキッとするほどの深い穴です。まだ膿んではいないようでしたが、放っておけば必ず腐敗が始まって徐々にダメになってゆくのは目に見えています。犬同士のけんかかしらと思ったのですが、なんと、村人のひとりに、鉄の棒で殴られたというのです。たしかに、チビなつめは、なつめに似て、よく吠えるのですが、襲って来るわけでもないこんな小さな犬をまともに殴りつけるなんて、ヒドいもんです。ただし、このいきさつには、村の権力闘争の影響が潜んでいると私はにらんでいます。殴ったのは、旧村長派の男で、チビなつめの飼い主は、新村長派の“重鎮”なのです。


それはともかく、急な事故ならあきらめもつきますが、徐々に腐敗が進行して、最後はまだ息があるのに谷に投げ捨てる、という当地の一般的な習慣は、私には耐え難いので、離石の動物病院まで車で連れてゆくことにしました。一昨日のことです。その日の朝には、飼い主もさすがに申し訳ないと思ったのでしょう、100元くれました。そして、帰って来た翌日にも、とうもろこしとかぼちゃを持って来てくれましたが、こういう人は、当地ではほんとうに珍しいです。

動物病院といっても、要はペットショップですが、私が連れてゆくと必ずボラれるので、運転手のシーピンに頼んだのですが、多分効果あって、70元で済みました。ちょちょちょっと、ぞうきん縫うみたいなもんでした。でもしっかり消毒もしてくれたし、多分これで大丈夫でしょう。

で、帰って来てからがまた大変で、飼い主のおっさんがちょうどウチの前にいて、チビなつめをもらってほしいというのです。今さらいうまでもなく、私はしょっちゅう家を空けるので飼えない、といくらいっても、私がいない時には自分が面倒をみるから問題ない、とか、お隣が犬嫌いなのでダメだといっても、自分から頼むからとか、とにかく周りにいた人も一緒になって、私が飼い主になれば誰もいじめないから一番いい、などと無責任な言葉で口を揃えるのです。


もちろん、絶対に飼うことはないですが、とにかく傷口がふさがるまではと、今現在、チビなつめは私のところにいるのです。外に放すと犬同士のけんかなどでまた傷口が開いたりしたら目も当てられないですから。酷暑の中の一日仕事で疲れ果てて、死んだように眠っています。

で、ちょうど病院に行ったその日からお隣が出かけて、子ネコの面倒も見なければならないのです。この両者の駆け引きがなかなかに面白いのですが、私はいま学校のツアーの準備で忙しいので、そんなことを楽しんでいる時間はないのです。この駆け引きを書き出すと長くなるので省略。またの機会に。


ワンの方はけっこう気にせずおおらかですが、ニャーの方はやっぱり警戒心満々です。



ニャーは自分の方が先客だったのに、ワンに私の部屋を占拠されておもしろくありません。





前はこんな感じで自由に遊びまわっていたのですが、今はだいたい高い位置にいます。