黄砂一番

先の3日ほどは急に暖かくなって、昨日などは、確実に外気温が内気温(室温12℃)を超えました。ところが今日は午前中から強風が唸り声を出しながら襲いかかってきたのです。“春一番”ならぬ“黄砂一番”です。庭に置いてあるさまざまな物たちが、バタン!ドタン!といっせいに躍り出すので、あわててレンガで重しをして、部屋に飛び込みました。幸いヤオトンは開口部が1ヵ所だけですから、そこさえぴったり防御すれば、砂が入って来ることもほとんどありません。もっとも、ひとたび舞い上がった黄砂は、砂より微粒なシルトという物質ですから、風がおさまっても日常的に空中に浮遊しているわけで、やはり机の上には拭いても拭いてもうっすらと砂ぼこりがたまります。まあ、今回のは、ほんの半日くらいでおさまった“小嵐”でしたから、日本までおじゃますることはないでしょう。

映像でご覧になった方も多いのではないかと思いますが、ほんとうにあの通りで“砂の悪魔”がズズズズズズーーッ!!ズンッズンッ!!!グワーーーーッ!!!!と覆いかぶさって来るのです。それは突然、山の方から来たり、谷の方から来たり、道の向こうから来たりしますが、基本的に遠くから見える場合が多く、SF映画のワンシーンのように、もう必死になって逃げるわけです。近くにいた村人たちがいっせいに蜘蛛の子を散らすようにヤオトンの中に逃げ込むのです。

私も逃げ損ねて捉まったことが何度かあります。身体が引き倒されるような“大物”に出会ったことはないのですが、実際、呼吸困難に陥るほどです。で、イヤなのは、その吸い込んだ砂の中に汚染物質がどっさり含まれているということです。家庭ゴミや生活汚水、煤煙、人間と家畜と犬猫の糞尿、炭鉱の廃棄物、隣村のアルミ鉱からははたして何が出てるかも知りませんが、とにかく何から何まで。廃棄物の処理というのは、基本的に“谷に投げる”だけだから、それらが乾燥して砂嵐とともに私の身体の中に侵入してくるわけです。特に、慢性鼻炎状態になっている私としては、これからの季節はほんとうに辛いです。というか、この季節が過ぎればあっという間に50℃を振り切る酷暑の夏、秋の安定期は、ほんとうにつるべ落としの如く短く、すぐまた氷点下20℃の酷寒で、とにかく過酷です、この地の暮らしは。

もちろん毎日黄砂がやって来るわけではなく、嵐のように大きなやつというのは、月に何度かです。ただ、先に書いたように、常に空中に浮遊しているので見通しはよくなく、遠くの景色はぼんやりかすみます。最近は天気予報にも明示されるので、それを見て、風が強い日には外出しないことが一番。せいぜい翻訳業に励みましょう。

で、この黄砂の写真というのは、カメラに悪いので、撮りません。以前ポケカメを2台もダメにしたのですが、このせいです(でしょう)。で、かわりにといってはなんですが、“なつめ犬”の写真を2枚。


この犬は、なつめよりも二回りほど大きくて、顔もチャウチャウのような顔してますよね。身体の毛の生え方などはなつめとよく似ています。足のところにたくさん生えるとこなんか。


この子はなつめより一回り小さいです。毛の色も白っぽく、目も薄茶色で、全体に色素が淡いのですが、なつめとよく似ていますね。