山西流

1月30日に、大阪−西安経由で離石に戻り、2月1日を待って、プロバイダに2月分のネット料金を支払って村に戻りました。ところが、繋がらないのです。12月1月と止めていたので、それを再開(手動です)してもらわなければならないのですが、お金だけ受け取って忘れているのでしょう。以前にもそういうことが一度ありました。ところが領収書のどこを見ても電話番号が書いてないし、調べようにもネットが繋がりません。止む無く昨日、再び離石まで出かけたのです。

ところが、窓口で事情を話すと、申し訳ありませんでしたの一言はなく、「身分証」がないと繋げないと、初めてみる若い女の子が開き直るのです。私は同じオフィスで8年間ずっと繋いできたし、外国人の私が中国政府発行のマイナンバーカードを持っているはずがありません。第一、繋ぐ必要がないのなら、なぜわざわざ2月分の料金を支払うことがあるのでしょう。普段、滅多なことで声を荒げることのない穏やかな私ですが、さすがに堪忍袋の緒が切れて、「責任者を呼びなさいっ!」とけんか腰になってしまいました。すったもんだのあげく、繋いではくれたのですが、最後まで詫びの言葉はなく、私の顔すら見ようとはしません。自らに責任が降りかかるのを頑として認めない、というのが中国人、いえ、山西人の流儀なのです。

その後、渡したいものがあったので知人を訪ねました。前日には、「何時に来てくれてもいいよ」といっていたはずなのに、7時にならないと帰らないというのです。これもよくある山西流です。

あきらめて宿に戻ろうとしたのですが、もうものすごい渋滞でみんな身動きがとれません。日本でも帰省ラッシュとかありますが、一応は列を成した渋滞なので、覚悟を決めてひたすら待つ、しかないと思うのですが、こちらの渋滞は列を成さないのです。一寸のスキを見計らって前後左右を問わず突っ込んでくるのでにっちもさっちもゆかなくなって、あちこちで怒声が飛び交います。ときには車道と歩道の区別すらなくなります。その上に歩道と車道をまたいで、店の商品を目いっぱいに広げて売り手は声を張り上げ、車と人とで道路を奪い合うという事態すら発生します。山西流です。

横断歩道を青信号で渡っていても、「どけどけっ!」とばかりにクラクションを鳴らして車が驀進してきます。例えポリスがいたって、注意することなど絶対にありません。それもそのはず、中国では赤信号で右折(日本では左折)できるのです。やられ損なので、後ろをキョロキョロ見ながら渡るわけですが、昨日今日はとにかく何もかもが殺気だっていました。

バスなど待っていても日が暮れるので、氷点下の寒風吹きすさぶ中、宿まで歩きました。知人に渡し損ねた重い荷物を抱えて。

もう部屋から出ないことが一番と、途中で酒と食料を買い込んで宿に戻ったのですが、これがまた暑いんですね。こちらの暖房は基本的に全館暖房で、豊富にある石炭をボイラー室でがんがん燃やして、熱水をパイプラインに通すというやり方です。各部屋で温度調整ができるわけではなく、なんでこんなにエネルギーを無駄にするんだろうというくらいに暑いのです。泊まった宿だけではなく、大きなビルの暖房はだいたい暑すぎて、半袖1枚でも夜は寝苦しいのが常です。

とまあ、昨日は最悪の1日だったのですが、気を取り直してブログを書き、写真も全部アップしたのですが、最後の最後になって、宿のWifiが突然切断され、きれいさっぱり消えてしまったのです。もう一度やり直す気力はとてもありませんでした。

で、いまは村に戻り、今一度気を取り直してこれを書いています。室温は9度ですが、日本でユニクロのウルトラヒートテックなど買い求めてきたので、何とか持ちこたえています。あさっての春節を過ぎるころからは最高気温も+になり、日に日に温かさを取り戻してくるでしょう。暦どおり、春節が過ぎればもう春はそこまでやって来ているのです。

写真はキャプションなしのアトランダムで。2番煎じのものが多いですが。

4枚目の魚は、「魚」という字が、余裕の「余」という字と発音が同じで、縁起物として大晦日の食卓(年夜飯)に並びます。牛の頭は150元(≒3000円)でした。サモエドは売り物なのですが、ペットショップの前で放し飼いされていました。最後の2枚は招賢で。