吉隆坡の台所

なにしろ赤道にそれほど遠くないところですから、さぞかし暑いだろう、道を歩いているだけでヤケドするんじゃないかと覚悟して出かけて行ったのですが、気温そのものは意外とそれほどではなく32、3℃程度、ウチの村の方がずっと暑いです。しかし、湿度が常に80%くらいあるようで、1日中じわじわと汗がしたたり落ち、慣れない身にはそうとうに体力を消耗します。これが通年続くわけですから、やはり“熱帯暮らし”というのはそうとうに厳しいなあと思います。もっとも、黄土高原のように、乾燥していて水がないところと比べれば、水は無限に近いほどあるわけだし、手を洗ってみても、やわらかいいい水でした。洗顔のときの石鹸の泡立ちでよくわかるのです。



ま、それはともかく、おなかも空いたことだし、外に出てぶらぶらしてみることにしました。で、こういうときの私のカンというのは、並はずれて鋭く、あたりをつけた方向に10分くらい歩いてみると、そこからは、先がぜんぜん見通せないほど延々と屋台街がひろがっていたのです。





途中に小ぶりの市場があり、さっそく入ってみました。市場をのぞけば、その地の食文化がだいたいわかるものですが、スペース的に一番広かったのが、実は魚売り場だったのです。それほど種類は多くありませんでしたが、これらの魚はきっとマラッカ海峡の潮にもまれて味もいいのではないでしょうか?肉売り場は比較的小さなもので、イスラム教徒がほとんどの国ですから、豚はありません。羊もおそらくは気候的に飼育は無理なのかもしれません。この市場では見ませんでした。チキンはありましたが、なぜかカレー色をしていました。




野菜はそれほど豊富とはいえませんでした。日本にあるものと品ぞろえはほとんど変わりません。ただ、この大きな豆があちこちにぶら下がっていましたが、どうやって食べるのでしょう?一番迫力があるのは、もちろんフルーツ売り場です。最近の日本では輸入フルーツが増えているので、特別に珍しい、見たことがないようなものはありませんでしたが、もう量と値段に圧倒されますね。ヤシの実は、鉈でバンバン割って、中のジュースだけを袋に入れて、みんな行列して持ち帰っていました。バナナも当然完熟ものばかりだから、とっても甘くておいしかったです。もちろん、ドリアンもマンゴーも、おなかを壊すくらいいっぱい食べました。




で、こ〜んなものを見つけました。この豆腐は5センチ四方くらいの小さなもので、最初は豆腐かどうか自信がなかったのですが、しげしげと見ている私におばちゃんが寄ってきて、「ここにもあるよ」とはんぺんと卵豆腐も教えてくれました。きっと日本人の駐在員なんかが買いに来るんでしょうね。