ふたたび夏河






21日に郎木寺まで日帰りして、22日はまたラプラン寺の近くをウロウロしていました。寺の周りを写真を撮ったり、マニ車を回したりしながら歩いていると、ゆうに2時間はかかりますが、私はけっきょく3周ほどしました。地域に暮らすチベット族の人々は毎日1回、人によっては1日に2回3回、人によっては五体投地で。。。と、とにかく明けても暮れてもコルラ(巡礼)していて、見ているだけでも楽しいし、風貌が一緒だから、“にわか信者”になって一緒にマニ車を回して歩いても、誰にも怪しまれないし、嫌な顔もされません。

で、私は夏河に4泊もいたのに、けっきょく寺の中には一度も入ってないのです。外周を回るだけで4日かかってしまいました。しかも、寺域全体を見渡せる絶好の撮影ポイントが山の上にあるのですが、2回とも道を間違えてしまって、けっきょくそこにもたどり着けませんでした。

で、最後にその山頂に直登する細い山道というか、くだんの旧天葬台の横のガレ場に、歳をも顧みず挑戦したのですが、7割がた登ったところでにっちもさっちもゆかなくなって引き返しました。すると、降りたところに自撮棒(というんですかね)を持った、都会的な風貌の20代後半と思われるきれいなお嬢さんが立っていて、私がガレ場に貼りついていたのを見ていたそうで、なんであんなところに人がいるんだろう?と思っていたというのです。

彼女は北京の広告代理店らしきところで働いているようで、なんと、蘭州でレンタカーを借りて、ひとりで旅をしているというのです。これには驚きました。中国もしばらく前までは、外国人はいうに及ばず、自国民だってそう自由に移動はできなかったはずだし、ましてやチベット族自治州をレンタカーで周るなんて考えられなかったのではないでしょうか。そしてユニクロのトレーナーを着た、その闊達なお嬢さんは、来月には日本に行くようです。すでに何度目かだそうで、お目当てのひとつは、なんと、日本で純正ムーミングッズを買うことだとか。中国もいろんなところで大きく変わったなぁとしみじみ思います。





これはマニ車に描かれた絵。郎木寺のものです。

ここにはいつまでいても飽きることはなさそうですが、私は帰国を控えて、その前にしなければならないことも多々あり、いつまでものんびり“チベットの風”に吹かれているわけにもゆきません。あす、蘭州に戻り、列車のチケットが手に入り次第、村に帰る予定です。