西津東路清真寺

到着早々、蘭州株がぐーーっと上がってきていたのに、それが一気に元の木阿弥となる“事件”が起こったのです。

私が最近いつも使っているのが、7天連鎖酒店ですが、同じような全国チェーン店で、漢庭連鎖酒店というのがあって、昨夜はそこの西客站店に泊まりました。かつては1泊1000円くらいの格安ホテルによく泊まっていたのですが、北京オリンピックを機に、外国人の宿泊に政府が口を出すようになって、以前のようには泊めてくれなくなったのです。それで最近はネットで予約できて確実性があるところばかり使っていますが、それでも実は、7天でも7割くらいのホテルは外国人を泊めないのです。漢庭はどこでも泊めてくれますが、少し高くて、だいたい3000円から5000円くらいします。

で、その漢庭酒店ですが、フロントの対応もよく、部屋も落ち着けそうだし、もう2、3泊してゆっくり蘭州観光でもしようかと考えだした夜の9時頃、向かいの部屋の辺りから、工事の音が聞こえだしたのです。電気ドリルに電気のこぎりとトンカチで、ウィーンウィーン!ガリガリッ!ドンドンッ!ウィーンウィーン!と、それはもうけたたましい音の爆発で、とてもじゃないけど寝ることなどできません。でもその時間はまだ自分のブログで四苦八苦していたし、そのうちに終わるだろうと思って我慢していました。

ところが、案に反して終わらなかったのですね。後でわかったことですが、実はひとつ下の階が全面改装中だったのです。ついに午前0時、フロントまで下りて「ここはホテルなんだから、あり得ない事態でしょう。とにかくすぐに止めさせてくれ」といいに行って、30分後に止めるということで引き下がったのですが、午前1時、もう一度いいに行って、1時半ころ、ようやく音は止みました。朝は午前6時から始まりましたが。



それでもうとにかく今日、宿替えをしました。同じく漢庭の西湖公園店というところです。きのうから目星を付けてはいたのですが、ここは目の前に清真寺(qing zhen si)、つまりイスラム寺院があって、回族も多く居住している地域です。写真では、ビルの谷間で押し潰されそうな気配ですが、これもむしろ現代中国らしいといえるかもしれません。ミナレットもいかにも中国的ですが、ここからのアザーンはもう聞かれないようです。




荷物を下ろして、すぐ隣にある公園のたまり場で一服していたら、こんなおじいちゃんたちがやって来ました。近くの村から、この清真寺へ礼拝に行った帰りのようです。おじいちゃんが80歳、おばあちゃんが84歳で回族だそうです。で、このおじいちゃんは、完全な標準語を話したのです。村でもそうかと聞いたらうなづいていました。読み書きもきちんとできて、私の手帳に村の名前を書いてくれたのですが、手が震えて、残念ながら私には読み取れません。私が日本人だといっても、特に驚いた様子もなく、気を付けて行きなさいよといいながら立ち去ってゆきました。

その後に私は博物館に向かって歩き出したのですが、途中で、目の前を柴犬のような犬を連れて歩いている女性を見かけました。方向が一緒だったので、しばらく後を着いて行ったのですが、どうしても我慢しきれなくなってついに「その犬はなんという犬ですか?」と声をかけてみたのです。すると;


「これは日本犬なのよ」という答えが返ってきたのです。「え〜〜っ!やっぱり。私、日本人なんですっ!」と、思わず大声で叫んでしまいました。彼女は日本びいきで、来月の中頃には旅行団で10日間、日本旅行に出かける予定なんだそうです。目的のひとつはやはり買い物で、化粧品と電子製品が買いたいとか。ちょうど梅雨時だからもしかしたら天気が悪いかもねといったら、「いいのいいの、まずは一度行ってみて。。。」と、気に入ればその先何度でも行きそうな気配でした。

日本製品は、何から何まで巷にあふれかえっていますが、生きた柴犬がこんなに遠く離れた地で大切にされ、人から聞かれると、今日のようにちょっと自慢げに「日本犬なのよ」とお披露目され、幸せに暮らしてゆける日がいつまでも続きますようにと願う、蘭州2日目でした。


これは「コピー1枚1角(2円)」という看板の下で気持ちよさそうに寝ていた“駄犬”。


甘粛省博物館にいた“古代犬”。実はここにはいいものがな〜んにもなかったのです。きっと北京や台湾に全部持っていかれちゃったんでしょうね。