従業員募集!

「世界ファストフード同時アクション」というものがあって、ファストフード店で働く若者たちが、時給1500円を要求してアクションを起こしたという記事を見ました。実態は東京都心でも時給1000円前後らしいですが、思わず、こ、これはっ!と唸ってしまいました。

ご承知のように、中国でもあちこちにファストフード店ができ、どこも流行っているのですが、離石には、肯徳基(ケンタ)が2店とDicosが2店、他に中国資本のナントカいう店が何軒かあります。従業員の数はというと、日本よりは少なめで、カウンターはほとんどが若い女性、みな愛想はないけど(それどころじゃない!)汗水たらして奮闘しています。


彼女たちの給料はどのくらいなのか前々から気になっていたのですが、最近、店の中でアルバイト募集の看板を見ました。それによると;

年齢18歳以上、過酷な労働に耐えることができ、責任感が強いこと。1日最低6時間、週に3日の労働で、時給8.5元。

8.5元というのは、現在のレートで150円ちょっとです。つまり、世界同時アクションの要求額の1/10ということになります。1日8時間働いても68元ですが、ケンタでやや高めのセットメニューを頼むと、だいたいその半分くらいの金額です。つまり、これらの店の価格は、ほぼ世界共通に近く、ウチの村の人たちには高くて手が出ません。しかしいつ行っても流行っていて、シャレた格好をした子連れの若いママとか、スマホ片手のカップルなどでいっぱいです。ただし、店で働いている彼女たちは、おそらくはほとんど口にしたことがないのではないでしょうか?従業員用の食事にフライドチキンが出るとは考えられません。離石という町は、何度も書いているように、炭鉱と物流(陝西省側に渡る黄河大橋がある)で繁栄している町ですから、住民の所得格差にもとりわけ顕著なところがあるのです。

また、この界隈の炭鉱労働者が、1か月無休で働いて5、6000元。3交代制ですが、坑内にいる時間のみで計算されるようで、時給にして20元ちょっと。まさに命がけの危険な労働ですが、日本の高校生のアルバイトの半額くらいの収入です。もちろん物価が違うとはいえ、こんなにも格差があることにあらためてびっくりしました。最近中国の人件費が高騰しているとよく耳にしますが、じゃあいったいこれまで日本企業は、どんだけ安い金で中国人労働者をこき使ってきたのかと思います。


ついでに、私がよく泊まる7天連鎖酒店にも募集看板が出ていました。例えば前庁接待員(フロント業務)の場合;

年齢;18−25歳、身長;女160以上男170以上、学歴;高卒以上、容姿端麗、標準語が話せること、パソコンに習熟していること。パソコンの修理ができる者、英会話ができる者、フロント業務経験者は優遇。

とまあ、実に要求が高いのです、雇用者の。これでいくら払うのかは書いてありませんでしたが、こういっちゃあなんですが、英語がしゃべれてパソに習熟していて容姿端麗だったら、ま、4ツ星くらいのホテルめざすでしょうね、フツーは。