月湖(yue hu)

翌日、寧波から上海まで高速鉄道に乗り、上海から太原行のフライトに乗って帰ったわけですが、これもほんとうに便利で短時間になりました。寧波−上海間は、東京−大阪間に近いほども列車が頻発していて、閑散期なら当日でも買えそうです。ただし、在来線の線路を使っているようで、いわゆる新幹線ではないので、普通列車がなくなってしまい(近距離はバスを使っているのでしょう)、安い切符がほぼなくなってしまいました。上海までは2時間ちょっとで、144元でした。


上海の中心駅は「虹橋站」ですが、飛行場は「虹橋」と「浦東」と2か所あり、浦東の方が大きいです。航空会社によって違いますが、私はこれまで虹橋飛行場を使ったことはありません。虹橋飛行場は、虹橋站から、ほとんど見えるくらい近いところにあるのですが(つまり大都市のど真ん中)、浦東飛行場まではかなり遠く、地下鉄で1時間くらいはかかると聞いていたのですが、実際には1時間半以上かかりました。切符買ったりなんやかやで、つまり2時間みないといけないわけです。上海はデカいなぁとあらためて思いました。でも、地下鉄切符は8元、安いです。


で、上海から太原までのチケットはネットで購入していて290元。1200キロくらいあるはずなので、これも安いです。列車の方が、寝台なら倍します。このフライトがなぜ安いかというと、太原到着が真夜中になるからですが、私はすでにいい方法を見つけているのです。

比較的新しい空港というのはだいたい田舎にあるわけですが、おそらくは太原に限らず、空港近くの農家が深夜早朝の利用客目当てに、民宿を経営しているのです。で、こういうところは必ず車で送迎してくれます。でなければ誰も泊まってくれません。施設はよくありませんが、その分料金も安いし、何より深夜のタクシー移動は危険ですから、最近の私はもっぱらこれを利用しているのです。午前1時2時でも迎えに来てくれます。太原の武宿空港の近くには、こういった民宿が10軒ほど並んでいます。





ところで、表題の月湖ですが、上海行きの列車に乗るために寧波駅に向かう途中、よさそうな風景が広がっていたのでバスを降りました。降りてから地図を広げてみると、月湖という大きな公園になっていて、幸い寧波駅までは歩いて行かれます。早めに出ているので、かなりゆっくり散策することができました。



公園から見えるところにあった小路ですが、崩壊の危険があって、今は誰も住んでいないそうです。ところどころに、いわくありげな門構えの邸宅などがあって、かなり古くから開けた地区であったことが想像されます。



新しく整備された寧波駅に近い方の出口には、こんなきれいな竹林が続いていました。


こんなモニュメントも。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%88%E6%B9%96 

で、実は村に帰ってから、もしかしてと、Wikiを開いてみたのですが、ありました。ほんとうに何でもあって、まったく“智の宝箱”ですね。これを見ると、なんと最初は唐代につくられた人口湖だそうです、驚きました。とまぁ、かように私の旅はいつでも何の事前情報もなしにぶらりと訪れるのが常です。“もったいない”と思われる方もいらっしゃるでしょうが、これはもう私の性格ですからどうにもなりません。子どもの頃、夏休みの計画表を出せといわれるのが、ほんとうに苦痛だったのを今でも鮮明に覚えていますから。



湖畔の柳の芽もすっかり開いて、春の訪れを告げています。黄土高原の村々でも、ようやく厳しい寒さから解放されて、ポポの初鳴きを聞く日もそんなに遠くないことでしょう。でも、あぁ、黄砂が。。。