魯家峙(lu jia zhi)

漁港沿いの道路を歩いていたら、地下に下りる入り口がありました。ごくごく普通のなんでもない造りで(だから写真もなし)、地下鉄の出入り口よりはもっと大きなものですが、道路の反対側を見ても出口らしきものはないし、まさか地下商店街なんてあるはずもないし。。。といぶかりながら階段を下りてみました。




そうしたら、あっと驚くこんな光景だったのです。それまで霧のために地形がよくわかっていなかったのですが、対岸に魯家峙という名の島があって、この地下道は島に続く海底トンネルだったのです。突然SFの世界に迷い込んだみたいで、私はほとんど眩暈をおぼえそうでした。





地下トンネルは4、500mくらいでしょうか、エスカレーターを上がると、次にはこんな光景が広がっていました。地下道は去年開通したみたいですが、魯家峙側の整備はまだまだこれからで、つい最近までここで暮らしていた人たちの“生活の音”がどこからか聞こえてくるようでした。ただちょっと不思議に思ったことがあるのですが、2キロほど離れた位置に、立派な鉄橋が架かっているのがよく見えたのです。これまではそこを通って行き来していたのでしょうが、それで特別に不便だったこともないと思います。もちろん地下道があるに越したことはありませんが、島の人たちのためというよりは、この取り壊された住宅地の跡地に、漁業関連の企業が入って新たな基地建設が始まるのではないかという気がするのです。漠然とした感触ですが、最近の中国の発展のかたちを見ていると、あり得ない話ではないと思います。通りがかったおばちゃんに、みんなどこに引っ越すのかと聞いても、あまり明るい感じの答えは返って来ませんでした。


魯家峙側の人々も、当然漁を生業としている人たちがほとんどではないかと思います。漁網の補修をしている人たちなども見ました。



ただ、地形の関係なのでしょうか、こちら側には舫ってある船がなく、なんだかゴミ捨て場のような光景も広がっていました。写真の対岸は、瀋家門です。なにしろ、中国一の水揚げ量を誇る天然漁港のようですから、関連産業がもっと発展しても不思議ではありません。私が見た限りでは、瀋家門の港の界隈には、それらしき工場などはほとんどありませんでした。もし2年後くらいにここを再訪したとしたら、魯家峙と瀋家門がどのように変わっているのか、自分の目で見てみたいものだと思います。