瀋家門(shen jia men)

“眠られぬ夜”がなかなか明けそうにないので、思い切って南に飛んでみました。のんびり海でも眺めて調子を取り戻そうと思ったからです。ネットでいろいろ調べて、「よし、補陀落山へ行こう!」と決めました。中国では普陀山(pu tuo shan)といい、四大仏教聖地のひとつで、唯一、海の上にあるお寺です。私はずいぶん若い頃から、なぜか「補陀落渡海」という言葉に(さしたる意味もわからないまま)漠然と憧れを持っていて、山腹の樹林の辺で、渡海舟の幻でも見られるかもしれない、などとあらぬ妄想を抱いて村を出たのでした。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%88%9F%E5%B1%B1%E7%BE%A4%E5%B3%B6

普陀山に行くには、浙江省の寧波という都市から舟山という町(島)まで行き、そこから船で渡ります。安い航空券を探した結果、けっきょく太原まで行って、そこから杭州行の飛行機に乗り、杭州から寧波まで鉄道を使い、寧波から舟山まではバスに乗り、それから船というフルコースになりました。そして、初日太原で泊まり、翌日は寧波に泊まり、翌々日、舟山島の南端、瀋家門という漁師町に到着しました。


普陀山は、一大観光地になっているようで、普陀山に渡る観光船は頻発していて、船着場も3か所ほどあるようです。普陀山島の中にも民宿や宿坊があちこちにあるのですが、残念ながら外国人は泊めません。それで私は瀋家門のビジネスホテルに泊まったのですが、6階の窓からは港がよく見える位置にありました。

ところがです。杭州に着いた頃からずーーっと天気が悪く、曇り空どころか、どんどん深い霧が出てきて、港の光景もさっぱりだし、夜になっても漁に出る船がほとんどなかったのです。太原で買ったガイドブックには、漁火に照らされた夜の港の光景が素晴らしいと書いてあったので、わざわざ“港が見えるホテル”を取ったのに、がっかりです。明日を期待しつつ横になったのですが、やっぱりなかなか寝付かれず、ウトウトしたと思ったらポンポンポンポンという発動機の音に起こされました。


深い朝霧で昨日以上に港がかすんでいます。ホテルのフロントで、船が欠航しているのを聞いたので、ここでもう1泊することにして、町をぶらぶらしてみることにしました。










朝市はとても賑わっていましたが、観光客の姿はありませんでした。魚の名前はさっぱりわかりませんが、野菜の方は、ほぼ日本と同じ品ぞろえでした。


海苔を売っていたおばさん。日本の寿司海苔の4倍の大きさです。よほど買おうかと思ったのですが、途中でバラバラになること必定なので、残念ながら次の機会に。


こんなザルを作って売っている店があって、これも欲しかったけれど、小ぶりのがなかったので、残念。細部で、日本のものとは製法が違っていました。


自転車の荷台の“おでん屋”。豆腐の厚揚げ状のものがいろいろありました。団体客に“爆買”されてしまって、私の口には入りませんでした。残念。


昔、私の家の近くにもこんな感じの店があったなぁ……ホテルのお隣の酒・タバコ屋。




これらは、市ではなく、近くにあったスーパーで。出前一丁は1個100円ちょっと。ごぼう、というのは、実は中国に来て初めて見ました(売られているのは)。やっぱり南の方、つまりモンスーン気候帯の食文化というのは、共通していますね。