安全不感症

これまで、停電になると湯も沸かせない状況に陥るのでさすがに辛かったのですが、ようやくにして、「煤気」(mei qi)というものを買いました。サモエド君の飼い主のシーピンが、使ってない空のボンベがあるので貸してくれたのと、それをバイクで部屋まで運んでくれるというからです。高さが私の膝上くらいの中型ボンベです。招賢でガス台も買いました。

1週間ほど前にシーピンが来て、それを部屋の中に設置してくれたのですが、どうも気になります。私は物心ついた時から都市ガスと水洗便所で育っている人間で、こういったものを使ったことがないのですが、煤気というのは、字からいうと、石炭から作ったガスのことです。つまり一酸化炭素を含んでいるのではないかと気になったのです。それでシーピンに聞いたのですが、「没問題、安全」というのです。ガス台を買った店の老板に聞いても、ちゃんとバルブを閉めれば安全だ、といいます。もちろん、絶対に漏れないという保証でもあれば別ですが、何年も使ってなかった古いボンベだし、なにしろ中国製ですから、私ははっきりいって、信用していません。狭いヤオトンの、しかも寝ている私の頭の上1,5メートルのところに置いてあるけどいいのだろうか?と不安を残したままに使い始めたのですが、どうもボンベとホースを接続するための器具に不具合があるようで、炎が正常にならず、常に不完全燃焼の状態が続いていました。

それで器具を取り換えようと思って、今日、離石まで買いに来ました。招賢ではまだまだ普及しておらず、そもそもなぜガス台を売っていたのか不思議なくらいでしたから。で、器具を買って、店の若い子に、「私はこれまで使ったことがないけれど、このガスを吸ったら、もしかして人、死にません?」と聞いてみたのです。案の定、あっさりと「ああ、死ぬよ。だからボンベは部屋の外に出して」。けっきょく私は、ガスホースも5m買って、計35元。ほんとうに安い“命拾い”でした。このところ韓国で悲惨な事故が相次いで、「安全不感症」などという言葉が使われているようですが、まったくいい勝負です。

器具を買った店は、いつもの7天酒店の近くにある、露天市場が密集している所でしたが、土曜の午後ということもあってほんとうに人が多く、時に身動きもままならないほどでした。いったい離石という街は、どこまで膨張し続けるのでしょう。私が最初に立ち寄った9年前は、大型トラックだけが目につく(黄河にかかる橋に続く幹線道路沿いだから)、砂埃にまみれただだっぴろい田舎町だったのですが。


シェーバーの刃を売っているおっさん。なかなかおしゃれなスタイルではありませんか。


パンプキンケーキを作って売っていた店。とてもおいしくて、20元も買ってしまいました。重い。。。


落花生売り。これもその場でいって売るのが普通です。


おなじみのタンフールー。サンザシの飴菓子。これからが季節です。(飴菓子だから夏場は溶ける)


麻花。小麦粉の揚げ菓子。


飴売り。日本でも昔はこうやって売ってましたよね。


小麦粉に香辛料やネギなどを入れて丸い鉄板の上で焼いたもの。油をものすごく使うので、油臭い。


キビの殻で作った卓上箒。ひとつ10元。


これからの季節は、何と言っても焼き芋ですね。


こんなかわいい子が豆腐売ってました。

*パンプキンの後ろに写っていますが、煤気というのは、もっぱらこうやって野外で商売をしている人たちが使用しています。食べ物屋が多いので、消費量は多いと思います。以前は石炭や練炭が使われていたのですが、ずっと便利になりました。