アマリア・ロドリゲスはいかが?

またまた臨機応変路線で行きます。

実をいうと、今回の絶不調は、ネットワークとPCの不具合とダブルで来ているのですが、どうやら後者の方がより重篤であることがはっきりしました。
私が今ネットを繋いでいるのは、5年ほど前に日本で購入した中国製Lenovoの小型ノートですが、すでに1、2年前からしょっちゅう不具合が出てきて、もうそろそろ寿命なのかしらと思っています。

もう1台VAIOのかなり大きめのを持っていて、これは映像を編集するのが主目的です。村で葬儀や婚礼などを録らせてもらえるのも、私が録ったものを必ずDVDに焼いてあげているので、それでみんな喜んで録らせてくれるのです。もうそのことはお互い暗黙の了解になっていて、村人たちもむしろタダで録ってくれる私を歓迎してくれているのです。(当地では、葬儀や婚礼のとき、プロの撮影師を雇って、映像に残してもらうのが流行っています。)

で、このVAIOが、無線ネットを繋ぐためのデヴァイスをどうしても認識してくれないので、やむなく2台持っているわけです。中国で日本製を買えば(純中国製だと文字入力に問題が出てくる)、恐らくは繋がると思いますが、今はもう財政的に無理です。

きのうは停電で1日繋がりませんでしたが、今日、プログラムの更新中にフリーズしてしまって、これはもう完全にアウトかしらと半ばあきらめかけたのですが、2時間ほど放っておいたら、無事にシャットダウンされました。

で、このLenovoが、ほんとうにいつまでもつかわからないので、またまたご報告しておきます。その折には、10日に1度くらいは離石に行ってVAIOを繋ぎます。

で、これは前置きですが、昨日、厳家塔と高家塔という村に行って来ました。バイクで連れて行ってくれる人が見つかったので、久しぶりに安否確認と、取材時の映像をDVDに焼いたものをあげるためです。DVDは、写真よりも永く保存できるし、本人が亡くなっていても、遺族の人たちで見てもらえればいいかと考えて、これまでにもかなりあげているのですが、最終的には、できれば取材した人すべてに渡したいと考えています。

村にはパソコンなどないけれど、DVD再生機というのはけっこう普及していて、どの村に行っても何台かはあるので、テレビに繋いで見てもらうわけです。当然写真よりは迫力もあるし、とても喜んでもらっています。


今回行った村は、2007年と8年に取材した人が多く、厳家塔で6人、そのうち4人が亡くなっていました。高家塔は5人で、3人が亡くなっていました。かなり前のことでしたが、本人はもちろん、息子さんたちや近所の人たちがみな私のことをよく覚えていて、棗やらさつまいもやらお菓子やら、もらいものが多くて困りました。


中でも、厳世発というじいちゃんの連れ合いのばあちゃんが、(お嫁さんがいうには)もう何をいってもわからない状態で、いかにも、そんなに長くはないだろうという感じでしたが、亡くなったじいちゃんの映像を、私のポータブル再生機で見せてあげたら、急に目が輝いて、わかるわかると喜んでくれたのが印象的でした。じきにじいちゃんの所に行くのだろうけれど、こんな笑顔を最後に見せてくれて、私もはるばるやってきたかいがありました。読み書きすらできない、まさに“名も無き”農民たちと共に過ごした9年間でしたが、無駄ではなかったと、このところ絶不調が延々と続く中、自分の心にいいきかせながら帰ってきました。

で、村に帰ったら停電で、暗闇になるので、ネズミとの戦いも今夜がヤマだなと思い、残った電池でアメリカものは止めて、アマリア・ロドリゲスと津軽三味線をかけながら寝ました。どうやら今回の勝負は私の勝利に終わったようです。