maotouying



現在の畑はこんな感じ。かぼちゃとじゃがいもの収穫はだいたい終わっています。稔ると実が落ちてしまうキビもタイミングを見計らって一気に刈り取ります。さつまいもも収穫の時期です。私は毎日村をひと巡りしますが、必ずどこかからさつまいもをいくつかもらってくるので、いまは籠にいっぱいになりました。なつめが大好きで、なつめがいた頃は、よく一緒に食べました。これは春先まで保存できるので、各家庭でもかなりの“貴重品”で、タンスの上など、暖かいところに積み上げて保存します。



2日の日でしたが、何やら工事をしているようなので近づいてみたら、あらまっ!門がない!
この家は、以前書いたことがある、元八路軍兵士孫老人の甥っ子の家なのですが、頑丈な大門(入り口の門のこと、部屋の門は房門)がありました。多分村でも一二を争うくらいの立派なもので、分厚い木製扉に細工金具が付いて、押し開けるときに、ギギギーッと、荘重な音がしたものです。

「どうしたの?」と聞くと、
「売ってしまった」というのです。
「誰に?」
「磧口で観光開発してる人」
「いくら?」
「2万元」
「え〜っ、そんなに安く?」

すでに売ってしまったのだから、それ以上はいいませんでしたが、清朝の時代から風雪に耐え、日本軍の暴虐からもかろうじて免れ得た、村の文化財みたいな大門を、たった2万で、観光で金儲けを目論んでいる人の手に渡してしまうなんて、もったいないこと限りないです。

そんな話がどこから来たのかと聞いてみると、今年の1月に2、3人の男たちが村にやって来て、いろいろ物色の後、孫家の大門を譲ってくれないかといってきたそうです。当然、賀家湾村だけでなく、近隣の村々をこういったブローカーのような男たちが廻ったのでしょう。つまり、磧口はこれまでにも増して、観光開発が進んでいるということです。

1年ほど前に、久しぶりに行った時も、街中至る所修復工事だらけで、実はそのほとんどが、修復ではなく新築で、いかにも昔風なハリボテ建築、もっというなら映画のセット村の如き風情に“転落”していたのです。でも、これはおそらく日本人的感覚で、中国人はそういうのが好きなんでしょうね。この点に関しては、もっとよく考察する必要があると思います。で、以降磧口には行くことはなかったのですが、今度機会を見つけて、もう一度観察に行って、またみなさんにお知らせします。

昨日、ジョウビタキのことを書きましたが、実はここ数日来、裏の山で、夜中に「ホー、ホー」と、何かが鳴いているのです。かなり大きな声で、ときどき部屋の中でも聞こえてきます。それがなんだか、気が滅入ってしまうほど、暗〜〜い、切な〜い、人の心をえぐるような、孤独な鳴き方なのです。3晩続けて同じところから聞こえました。これまでは聞いたことがありません。

フクロウなのかしらと思うのですが、黄土高原にフクロウがいるのでしょうか?なんだか、私に何かを訴えかけたがっているようで、私はこのとろこ、村中がシンと寝静まった深夜に外に出ては、じっとその声を聞いているのです。ちなみに、フクロウのことを中国語では、maotouying(猫頭鷹) といいます。

附記

YOZAKURAさん

なんだかトンチンカンなコメントを差し上げたようで失礼しました。私のところからは、トーマスさんのブログは見られるのですが、コメント欄はまったく表示されないので、事情を勘違いしていました。また、ネット環境が悪く、自分の以前のエントリーを遡って見るということもないので、YOZAKURAさんのコメントが入っていたことも気が付かず、重ねて失礼しました。

三十路さん

連絡とれて良かったです。これから行かれるんですね。カラープリントにして、乗る前にタクシーの運転手に見せて確認を取ってからいらしてください。バスも頻発していますよ。1元です。これも乗るときに運転手に見せた方が確実ですね。中国では何がどうなるやら常に不確定ですから。

ついでに、お勧めのホテルです。私が高校生の団体を連れて泊まるところですが、経営者が日本びいきで、それで「銀座賓館」と名付けたくらいですから、とても気持ちよく泊まれます。1泊3000円くらい。星は付いていませんが、清潔で安全です。撫順駅(南駅、新築の北駅は少し遠いです)から、2路(ちょっと確信がないので確認を)で、4つ目くらいの「労働公園」で降りて、広い道路を渡って「市総工会」という5、6階建てのビルの裏手。「北国之春」というレストランの隣です。この9月に行ったときは、千葉に8年いたという、完全な日本語を話す女性がいました。いずれにしろ、筆談で何でもアドバイスしてくれます。
電話番号:024-5399-1999

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