頑張れ! KOMATSU

先々回にアップした道路の亀裂は、舗装部分を全部ひっぱがして、修理することになりました。招賢から賀家湾を通って、たくさんの村々と結ぶ幹線村道なのでこの道は早く通してもらわないと物流が途絶えます。

村でも年々オート三輪やミニバンでモノを売りに来る人が増えて、だいたい1日に10台くらいはそういった車がやって来ます。小麦粉や米、食用油など重いものや、纏め買いするトイレットペーパーや洗剤などは、みなそういう人たちから買っています。今の時期はスイカ売りもやって来ます。

私が来た頃には、まだまだカゴを担いで、玉子や豆腐を売りに来る人がけっこういましたが、最近は滅多にみなくなりました。みな車です。



で、私は5日の朝、小雨降る中を、孫家溝の曹鳳玲ばあちゃんの「一百天」(100日目の墓参り。これが終わると次は一周忌)に行くために招賢に向かったのですが、途中でこんなものを見ました。KOMATSUのブルです。中国でももちろんKOMATSUもKUBOTAもよく見ますが、賀家湾に出現したのは初めてです。界隈で見かけるのは中国製のいかにもといったゴツイやつで、ときどき韓国製の「現代」も目にしますが、こうやってしみじみ眺めてみると、なんともスマートで小回りが利いてかつ力強く、さすが日本製と、思わず胸を張りたくなるような気分になりました。工事をしていたおっちゃんに聞いてみても、日本の企業だということはみな知っていました。

で、その足でバスに乗って三交に向かったのですが、なんとこの町にもKOMATSUのブルが停まっていたのです。昔日本軍の駐屯本部があって“反日感情”の強いところとして有名なのですが、ここでもKOMATSUは活躍しているみたいです。

しばらく前、日本で、某大手広告代理店に勤める友人から、日本の企業で、いま中国と一番いい関係を保っているのは、KOMATSUなんだと聞かされたことがあったのですが、なるほどと胸に落ちるところがあります。

ブルは、道路工事や災害救助など(もちろん建築現場が最多ではありますが)、人のためになるというか、「公」の部分で登場することが多く、趣味や贅沢で個人が所有するものではないので、一般の人々には、心象というか、ウケがいいのです。おしなべて中国人は、大きいもの、力強いものが好きで、小さいもの、繊細なものに対する評価は、ぐっと下がります。

今や日中関係がガタガタになり、余波を蒙って、あちこちでしのび、むせび泣いている、私のような孤立無援の一般日本市民が山のようにいる中、KOMATSUのブルにはぜひ頑張ってほしいものです。