ハルビン ヤマトホテル

ハルビンです。様々な悪条件が続々折り重なって、やっぱり風邪にやられ、強い薬で抑えながら、お昼頃、ヨロヨロと北の国に到着しました。早々に豪雨に見舞われ、フロントガラスには雹の粒がぱらぱらと雪崩うち、道路は一瞬で冠水、傘などものの役に立たず、今年はハルビンも異常気象とか。松花江の水位が上昇して、岸辺は立ち入り禁止になっているようです。

3年ぶりのハルビンですが、やはり高層住宅が増え、若者向けにセンスを改めた商店が目立ち、ロシア風の瀟洒な建物にも改修中のネットが張り巡らされて、おそらくは、国慶節までに化粧直しが終わるのでしょう。そのときには、この街にも地下鉄が開通するようです。

ハルビン駅前の、バスターミナルや商店や銀行がひしめく繁華街に埋もれるようにして、旧大和旅館、現龍門貴賓楼酒店があります。

店内は照明が落としてあって薄暗く、自然光は2階の踊り場のステンドガラスから差し込む淡い光だけで、おそらくは当時もこんな感じだったのではないかと想像しました。

Thomas さんが書かれている、1944年のクリスマスに、帝政露西亜出身の軍人と語り合ったというのは、ここのことなんでしょうか?上の写真は1階ロビーから2階へ向かう階段、下の写真は、2階踊り場からホールを見下ろしたところです。それとも、守衛がいたということは、2枚目の玄関前の石段のことかもしれませんね。

この入り口の回転扉も当時のものだそうです。
私が入ってこっそりビデオカメラを廻している間、行き交う人にはひとりも出会わず、時間が止まってしまった静謐な空間の中で、私はしばし“満州”のこと、父のこと、そしてThomas さんと出会えた幸運について思いをめぐらせました。

*生徒たちは5日に瀋陽に到着します。明日あさってと、これまた準備しなければならないことが大山小山で、今日はこれでもうベッドに入ります。中途半端ですみません。