英子寿司

なつめのエサを買うために、太原まで行ってきました。どういうことかというと、私が出かけるときはゲンワンの家になつめを預けるのですが、とにかく食べるものをどうしたらいいか、ゲンワンのオクサンがほとほと悩んでいることを知ったからです。彼女らがいかに質素な食生活をしているか、私はよく知っているのですが、きっとなつめはそれ以上のものを要求しているのでしょう。

彼らは毎日自分たちが食べるものをそのままあげているので、なつめは味を選んでどんどんわがままになり、とにかく“いいもの”しか食べてくれないと、彼女は嘆くのです。そういうあげ方をしてはいけないと、前々から何度もいっているのですが、彼女は理解してくれません。

なつめを預けるのもあと少しになりましたが、そんな苦労をさせては申し訳ないので、とにかく、あとしばらくの間、なつめにはドッグフードを食べさせることにしました。急には食べませんが、ごはんや麺に少しずつ混ぜて出せば、順々に慣れてくれると思います。離石でも買えるとは思うのですが、私は知らないし、ちょっと他の用事もあったので太原まで足を延ばしました。

常宿の東晋商務大厦に泊まり、いつも行く「美特好」というSPAR系列のスーパーでドッグフードをあれこれ買い求め、さて自分の食料品もと、店内をウロウロしていたら、あーっ、つ、ついに来たっ!

これまで、どうしても当地では購入できなかったバターが棚に並んでいたのです(もちろん北京にはあった)。チーズは1年ほど前から、カマンベール系のベビーチーズがありましたが、バターがなかなか見つからず、毎朝食べる「焼餅」という、小麦粉を練って焼いた固めのパンに、バターをぬったらおいしいだろうなぁと、毎朝思っていました。でも、バターは持って帰る間にドロドロに溶けそうだったので、ケースに入ったマーガリンの方を買いました。15元くらいでした。

ついでにキューピー製品。中国語では「丘比」(チュービー)と書きますが、合弁会社があるのでしょう。ラベルの住所は北京になっていました。マヨネーズやドレッシング、ジャムなどを作っていて、離石でもときどき見かけるようになりました。「芝麻」というのは、ゴマのこと。

海苔そのものは、元々中華料理でもよく使われるわけですが、海苔を乾燥させて大きなあんぱんみたいな形にして売られています。「寿司海苔」は、北京などではすでに10年近くも前から見ました。ただ、板海苔にする技術がとてもじゃないけどお粗末で、ものすごく分厚くて、しかも均一ではなく、ところどころ隙間ができていたりしたものでしたが、今回見たこの「ヤマコ海苔」は、格段の技術進歩でした。味と香りの方も、ごくごく一般的なご家庭用であるならば、日本のものと遜色はありません。10枚入りで11.8元。

もひとつ新製品を発見。“ツナの水浸し”です。あ、水煮缶ですね。先回瀋陽に行ったときに韓国製のものを買って帰りましたがまだ開けていません。日中韓と揃ったわけで、さて、どんなお味がするか。。。楽しみですね。

NESCAFEの新製品も発見。卡布奇諾(カプチーノ)は、5本入って15元しました。かなりの高級品ですが、1箱だけ購入。コーヒー文化というのも徐々に浸透しつつあるようです。

実は先回来たときに、この美特好の1Fの入り口脇に、寿司屋がオープンしたことを発見しました。回転寿司というのは、すでに何年も前からありましたが、こういうファストフード店が出来始めたのはごく最近です。一般的に、扱っているのは「海苔巻き」(中巻きくらい)だけのところが多いようです。注文を受けてからその場で巻きます。

今回、作っているところをしげしげと観察してみたのですが、もちろん基本は日本と同じ。ただ、海苔の上にごはんを広げるときに、ぐいぐいとかなり力を入れて押し広げるんですね。あれでは米粒がつぶれてしまうのにと思うのですが、日本の米のような粘り気がないから、ああしないとうまく巻けないのかもしれません。巻き上がって、切って、プラのケースに入れてから、マヨネーズをちゅるちゅるっとかけてましたね。たこ焼きのように。そうそう、箸ではなく、長めの串を1本付けてくれて、やっぱりたこ焼きのように食べてました。

新メニュー。上から「うなぎ寿司」「ピータン寿司」「バナナ寿司」(?)

この「英子寿司」は、特に若い人が次々やって来て、なかなか繁盛しているのです。ひとつ(1本)が10元前後という価格は、これまでのごく普通のお手軽食よりやや高め、マックなどよりは安めといったところでしょうか。見ていて、思わず余計なアドバイスをしてみたくもなりましたが、願わくばもっともっと行列ができるくらい繁盛して、次々と支店なんかができて、日本の伝統食=文化をこの地に定着させてほしいものだと思います。