ものすごくくやし〜い思い

2ヶ月ちょっとかかって、ようやく劇台が完成したと思ったら今日6日にもう劇団がやってきました。なんという速さ!

劇団のトラックがやってきたので、広場でなんとなく待機していたら、高大夫が、「サイタイがあるから写真撮ったら」というのですが、「サイタイって何?」と聞いても要を得ません。私に「写真撮ったら(撮って)」という人など日常的にいくらでもいるので、ほとんど気にも留めずぶらぶらしていたら、やはり何かが始まるようで、晋劇の衣装とメイクをした男性がひとり舞台に上がってきて、鳴り物も始まりました。見物客もパラパラ。

なんだか舞台の四隅に何か撒いたりしていて、多分“お祓い”の儀式だろうとはわかったのですが、右手に包丁、左手に手鏡を持っていました。私は舞台の縁からほんの1mくらいのところでビデオを廻していたのですが、ビデオのモニターを見ているとどうしても視野が狭くなって自分のすぐ目の前の状況がわからなくなります。

(あとでわかったのですが)舞台の手前で誰かが雄鶏を差し出したようです。その役者は、突然左手に雄鶏をむんずとつかんでモニター画面に現れ、雄鶏の首を目の前に置いてあった小さなベンチの上で、ズバッ!と切り落としたのです。

まったく一瞬のことでした。もう血しぶきがふりかかるような近距離の上に、激しい動作だったので、私はレンズを合わせることができず、カメラは廻っていましたが、決定的瞬間を撮り損ねてしまいました。雄鶏にはかわいそうだけど。

その後、雄鶏の首から出る血を舞台の壁に振りかけながら役者が一周し、それが終わってから、雄鶏の首と手鏡を碗に入れて紅い布で包み、それに弓を合わせてしばったものを舞台中央奥にかけて儀式は終わりました。

すべてが終わってから高大夫がいうには、「サイタイは新しく劇台を作って、最初に晋劇をやる前にやる儀式なんだ。だから、滅多に見ることができなくて、自分も生まれて始めて見た」といっていましたが、そんな大事なことなら、もっと早く言ってよ、まったく。貴重な記録を撮り損ねたわ。

とまれ、明日(7日)から3日間は、またまたビデオばあさんで忙しくなるので、今夜はこれで。超残念だった、というエントリーでした。