劇台 その7

この劇台の工事が、いったいどのような状態にまで行ったら完了したといえるのか、私には(村人にも)さっぱりわからないのですが、15日、劇台の周りに壁を造り始めました。相変わらずタコ糸一本で、ピッチリと積み上げます。

17日。前日にこの冬3度目の雪が降りました。まださほど気温が低くないので溶け易く、溶けた後のぬかるみもハンパじゃなくて、工事も滞りがちになります。

塀は完成しました。

19日。トイレも完成。男女ひとつずつしかないのですが、周りには各家庭のものがいくつもありますから、どうぞご自由に。

20日。なんと、劇台の明り取りの窓にガラスがはめ込まれました。近隣の村々ではこれまで見たことがありません。賀家湾村の劇台は、なんだかとてもハイカラです。

21日。劇台の床にレンガが敷き詰められました。公演のときには、劇団が必ず絨毯を持参してくるので、土を固めたままでもいっこうにかまわないのですが、本格的ですね。

中国建築ではおなじみですが、こういうの(掲示板みたいなもの)をなんというのか?ご存知の方は教えてください。

22日。墨を塗った上から文字を削り込んでゆきます。なんと書いてあるかというと、

「賀家湾村 “一事一議”財政奨補項目 2012年11月18日」

ああ、やっぱり“故郷再生プロジェクト”でした。しかしながら、まさにポロポロと櫛の歯が欠け落ちてゆくような過疎化の進行の真っ只中で、この劇台が立派であればあるほど、いや増しに心にむなしさを引きずるのは私だけなのでしょうか?