念には念を入れて

いま北京です。
今回はフライトが18日午後5時なので、太原で1泊すれば、時間的には充分間に合うはずでしたが、何しろ、いつ何事が起こるかまったく予測ができないお国柄ですから、念には念を入れて、15日に村を出ました。列車のチケットは、離石発16日午前11時ですが、これとて朝、村を出ていると途中で何事に遭遇するか知れたものではありません。で、私の危惧は的中して、この日、前日来の雨のため道路が崩壊したので、ピストン輸送をしているというのです。

何度もお伝えしていますが、黄土高原(私の住む地域)は、砂漠地帯とは違って、年間降水量はあるのです。臨県で年平均500ミリほど降ります。去年もそうでしたが、春から夏の初めにかけてずっと旱魃状態が続き、その後、降りだすと何日も降り続いたり、3日に一度くらい降ったりという天候が続き、今度は日照不足になりかねないほど、晴れた日が少なくなるのです。この時期に降った雨を貯蔵することさえできれば、村人の生活環境も一変すると思うのですが、残念ながら、中国政府はこの地にお金をつぎ込もうとはしません。技術的にはなんら問題はないと思うのですが、この生産性の低い広大な地域に巨費を垂れ流す気概は、それはないでしょう。

そして、この雨が問題で、3、4日降り続くと、実にあっけなく道路が陥没、崩壊するのです。村内のあちこちをめぐる私道からバスが通る幹線道路まで、至る所で容赦なく陥没します。それで今回招賢から離石へのバスは、2回乗り換えました。写真左から2人目の女性が顔見知りの車掌で、私のスーツケースを持ってくれましたが、この先で足を滑らせて、あやうく谷底へ落ちるところでした。

道の片側では崩落、陥没。片側では土砂崩れです。念には念を入れておいてよかったです。

遠くから撮っているので不鮮明ですが、ポポはこれくらい大きくなって、親鳥も頻繁に餌を運んでいます。私がいてもいなくても、日本に帰ろうが帰るまいが、当たり前のことですが、そんなことはおかまいなしに、彼らは着実に次の世代をこの世に残すことに全精力、つまり命をかけているのです。

少しでも長持ちさせるために、花を全部摘み取って、土に挿しておきました。この中の何本かが、おそらくは、私が帰った時にも生き残っていることでしょう。松葉ボタンの生命力がこんなに強いものだとは、今回初めて知りました。

私の定宿は、北京駅前にあるユースホステルですが、一昨年すぐ近くに大型スーパーができ、便利なので私も帰国時によく利用します。もちろん駅前は人が生活してるところではないので、毎日何本もの無料送迎バスが人口密集地との間を結んでいます。何から何まで揃い、お客さんは中高額所得者がほとんどです。酒の売り場には、500〜1000元ほどの国産、輸入ワインがずらりと並び、ああ、これもステータスなんだなぁとため息が出、私は4元の焼酎の小瓶を買って部屋に戻りました。明日はもう日本です。