私の好きな写真 その4

山西省伝統芸能としては、まずは晋劇ですが、もうひとつ秧歌(ヤンガー)というのがあります。これは山西省だけではなく、中国北部の農村ではよく見られる伝統舞踊で、北京でも、朝早くから(主に)おばさんたちが集まって、体操がわりに踊っているのを見かけます。(*それらしき写真がちょっと見つからなくて、すみません)

それが、臨県界隈はつとに有名なところなんだそうで、春節ともなると、秧歌隊という、半ばプロの集団が村を廻って門付けをします。前年に婚礼があったり、何かでひと儲けした人などが、自分の家の庭に呼ぶのです。謝礼といっても、お金ではなく、酒やタバコのようです。村人たちも一緒になって踊りますが、こちらの人って、男も女も、子どもですら、みんなステップを踏むのがとてもじょうずなんです。いとも軽々と起用に腰をひねって、あれはやっぱり山地の農作業で鍛えられた腰だなぁと思います。

こういう仕掛けって、日本にもありますよね。万国共通?

この、ロバに乗ったお姉さんというのは、陝西省に多い出し物です。山西ではロバはほとんど見かけません。農耕には牛を使います。

向かい合ったふたりの少年は双子です。

急げや急げ!始まるぞ!

これらの写真は2007年の春節の時ですが、最近は秧歌隊が廻ってくるという話を聞きません。むしろ臨県や離石などの都市部では、今でも毎年元宵節のときに、ド派手なパレードが行われることで有名です。本来の形を残しているのは当然農村部の集落ですが、やはり、人がいなくなっては自ずと廃れてゆくのでしょう。とても残念です。