腎臓売ります

台風15号は、これを書いている現在、関東地方を直撃しているようですね。当該地域の方々は不安な夜を過ごされていることと思います。

私の方も、「停滞」や「迷走」で、いろいろ大変でしたが、燕京号は現在おそらく、瀬戸内をどんぶらこと関門海峡へと向かっているはずです。1日遅れを覚悟していたのですが、思ったほどではなく、数時間遅れで天津に到着の予定です。

ところで、この台風とは関係なく、今の時期、中国国内の列車のチケットを取ることがいかに困難か、それを具体的に書いてみます。日本人には“想像を絶する”難しさなのです。理由はもちろん、10月1日からの国慶節休暇の直前だからです。

私たち一行11人は、30日の午後瀋陽を出て、夕方天津に到着を予定しています。それには、13時19分発のD178という高速列車があって、天津までちょうど5時間かかります。他にも列車はあるのですが、8時間から10時間ほどかかりますし、午前中に918記念館を見学してから列車に乗りたいので、どうしてもこのD178が欲しいのです。

このDが頭に付く、高速列車というのは、購入するのに身分証が必要で、すでに日本からデジカメで撮ってjpegで旅行社に送ってあります。チケットが購入できるのは10日前からです。

ところが今日午前中、旅行社から連絡があって、3枚しか買えなかったというのです。それでこの列車の始発駅である、ハルビンからなら買えるかもしれないので、それでもいいかというのです。当然高くなるわけですが、この際そんなこともいってられません。

それで、残りをハルビン発のチケットで押さえました。ここまでなら、なんとか日本のみなさんにも了解できる事項でしょう。問題はここからです。

ハルビン発の8枚のチケットは購入済みなわけですが、実際には、瀋陽まで席は空いているわけです。すると、その空き席のチケットを、車内のチケット売り場で売ってしまうのです。日本ならば、当然この先のどこかで誰かが乗る可能性が高いわけで、車掌が勝手に売ることなど考えられないのですが、こちらはそんなに甘くはないのです。

中国の列車には、車内のどこかに小さな販売カウンターが作ってあって、ドタキャンされた空席券を売ったり、2等から1等への変更などなどの業務を行います。

で、どうするかというと、今回添乗してくれる田さんという、ハルビンの旅行社の人が、前日にわざわざハルビンまで戻って(そのときは瀋陽にいる)、そのD178列車に乗って、その空いた席が売られることがないように見張っていなければならないのです。

みなさんおわかりいただけたでしょうか?さすが中国!とにもかくにも人口が多いということでしょう。

この連絡があれこれひと段落ついたところで、瀋陽北駅へ用足しに行きました。駅前の歩道で見つけたのがこれ。さすが中国!

ただし、これがほんとうに「腎臓を売る」のか、何か他の暗号なのかはわかりません。

(9月21日)