“紅いカソリック”

臨県です。写真を焼くのと、電気調理器が壊れて修理不能なので、新しいのを買いにやって来ました。しかも、例の『証言集』の締め切りが延びたので、今回は久しぶりに泊まりにしました。
賀家湾では暖房なし(来年住めるかどうかわからないので石炭が買えない)で冷え冷えとしてるのに、ゆうべは暖房が効きすぎて、暑くてぜんぜん眠れませんでした。今朝フロントに文句をいいに行ったらけげんな顔をされて、どうやら、町の人には、このくらいがフツーなのかも(あぁ、田舎モノ)‥‥。

しばらくすると。外がなにやら騒がしいので、さて、葬儀か?結婚式か?とポケカメ持って出てみると、ホテルの玄関の前でドンチャカブンチャカやっていました。

よく見ると、背中に「天主教青塘鼓楽」と書いてあります。「天主教」というのはカソリックのことです。プロテスタントは「基督教」と書きます。青塘は地名で、つまり、カソリックの太鼓隊ということになりますが、カソリックといえば、やっぱりイメージするのは黒でしょう。ところが中国では、いえ、当地では、カソリックだってプロテスタントだって、仏教だって、ラマ教だって、とにかく何でもかんでも真っかっかなんです(イスラムは違います。真っ青です)。

ひとあたりご披露に及んだ後に、彼らは「厳禁拉人」(人を載せること厳禁)と書かれたオート三輪に乗って帰ってゆきました。
で、この写真に背中が写っている革ジャンのおっさんをつかまえて、「なに?なに?あれは布教活動なの?」と聞いてみると、ある人の3周年(3回忌)で、ちょうど私が泊まっていたホテルでみなで食事をして、それが終わったところだったんだそうです。そういえば、ここは、ホテルとしては2流だけど、レストランは界隈では有名店だそうで、いつ来てもレストランは混んでいました。

あんたはどっから来たんだ?と聞かれたので日本人だと答えると、例によって、日本にもカソリックは多いのか?という素朴な質問に始って、2つ3つ単純なやりとりをしているうちに、しあさって、近くの教会で大きな集会があるから来ないか?というのです。何人くらいかと聞くと2000人。えっ!そんなにたくさん信者がいるのかと聞いてみると、なんと臨県に1万人いるというのです。う〜ん、ウチの大家さんはプロテスタントだし、この地にそんなにキリスト教が布教していたとは‥‥。

とにかくおっさんは、自分の名前と携帯の番号と教会の場所を紙に書き、「あなたが来てくれるのを歓迎しますよ」と書き加えて渡してくれました。
そりゃ、2000人の信者が集まって、またまた村中が真っかっかになる景色は見てみたいけど、とにかく私はしなければならないことが山ほどあって、またまたまる1日潰して“紅いカソリック”を見学に来る時間が取れるのかどうか?難しいところです。

(11月14日)