仁義なき戦い?

6日に帰り、7日の夜に雨が降ってから今日まで6日間、ずっと曇り空が続いて、ときどき傘いらずの雨がパラパラと来ます。せっかく雨が降ったのに、これでは日照不足になってしまいそうです。部屋の中の湿度も60%を超え、なんだか日本の蒸し暑さに似てきました。買い置きのトマトやら生姜やらにカビがはえてきて、かけてあるタオルなんかもパリッと乾きません。こういうのを“大陸的”というのでしょうか、日本のように3、4日で天気が変わってくるということがなく、どっかりと居座ってしまうのです。この先永遠に曇天が続くのではないかと不安に襲われるような空模様です。

今は畑に出てもあまりすることがないみたいで、村人たちものんびりしてます。男たちは相も変わらず三々五々集まってはバクチ。トランプや中国将棋で、麻雀は村ではほとんど見ません。バクチといっても、お金を賭けるのではなく、バラしたタバコを1本づつ賭けてやっています。

そんな中、11日に村で結婚式がありました。正確には「出嫁」(チュージャー)といって、村の娘さんが嫁いだわけです。男性側からは「娶媳婦」(チィシーフゥ)といって、日本のように両家が合同で式を挙げるのではなく、まったく別々に儀式が執り行われます。

こんな感じで、楽隊を先導に、新郎が馬(実際にはラバが多い)に乗って、介添え人と一緒に新婦の家まで迎えにやって来ます。

馬の鞍に乗せた新しい布団は、新婦の家に引き渡されます。

新婦の家でご馳走を食べたりして2、3時間を過ごし(新郎新婦は別々の部屋)、新婦が家を出て、2人で新郎の家に向かいます。爆竹、花火が華やかに打ち鳴らされます。

今回は、新郎の家が隣村と近かったために、2人で村を一巡してお披露目がされましたが、離れた村に嫁ぐ場合は、家を出て直接新郎の家に向かいます。

村人はどんなお婿さんか、遠目近目に見物です。見物人には、「喜飴」(シータン)という飴やタバコがばら撒かれます。新郎側の村では、当然もっと華やかな儀式が執り行われ、式は1日で終了します。

この結婚式の写真やビデオを撮ってくれとよく頼まれるのですが、実は、適当な理由をつけてほとんど断っているのです。まずはキリがないのと、葬儀と違って、結婚式の方はどんどん“現代化”され、花嫁さんはウェディングドレスだし、伴走にパジェロやアルトがくっついてくるし、“伝統”がどんどんぶち壊されて、あまりおもしろくないからです。若い人たちの儀式なんだから、それもまた当然でしょう。私は年寄りらしく、これからも年寄りの儀式専門で‥‥。

で、この間私となつめは何をしていたかというと、毎日ネズミと戦っていたのです。帰ってきたとき、ペッタンコに3匹のネズミがかかっていました。大ネズミ2と子ネズミ1です。これは当然夫婦者だから、子ネズミが1匹というはずはなく、もっといるだろうとは思っていました。それで新たにペッタンコを買い、2匹捕まりました(ちなみに村では殺鼠剤は手に入りません。危険だから売ってないのです)。中くらいのヤツです。私がいない間に成長したのでしょう。家族構成としては少ないですが、これでもういないかなと思ったら、一昨夜またパタンバタン!と新たに捕まった音がしました。深夜に処理をするのもイヤだから朝になってからやろうと寝てしまったのですが、なんと翌朝見たら、ペッタンコがくちゃくちゃになっていて、ネズミは逃走していたのです。これはかなりの大物に違いありません。

ネズミも地面の上だけをその縄張りとしてくれるのなら、私も彼らの生存を認めてもいいという寛容な心を持ってはいます。ところが、カンの上でフンを見つけたことがあるし、例によってなつめが夜中中ネズミを追いかけて、寝ようとしません。地面をなめたりするので、変な病原菌も恐いです。

それで殲滅することに意を決して、奥のゴミ溜めの整理をしました。大家さんの荷物なので勝手に処分してはいけないのですが、もう我慢できないのでおおかたのゴミを引き出し、納屋に放り込みました。ネズミ穴を2つ発見したので、水を流し込んでこれを塞ぎ、レンガで蓋をしました。多分これでいなくなったろうと思ったのですが、今朝方、ワンワンッ!となつめの声で起こされました。あぁ、まだいるのです。いったい、私となつめvsネズミの戦いはいつまで続くのでしょうか?いったいあと何匹住んでいるのでしょう?

(8月13日)