なにしろ清朝だから

ほんとーーっに、疲れました。ヘトヘトになりながらもなんとか引越しを済ませて、今ようやく新しい部屋でPCを開いたところです。あすから20日間部屋を空けるので、大家さんのところに行ったり、鍵を換えたり、貴重品を預けたりと、いろいろ山のようにすることがありました。

朝8時半にまた周老板に来てもらって磧口へ向かったのですが、こんなに急いでいるというのに、途中で追突事故にあったのです。しかしこれは老板の方が絶対的に悪くて、運転しながら知り合いを見かけたので、突然ガクン!と停まったのです。そしたら後ろからゴンッ!相手がバイクだったのでたいした事故にはならず、ミニバンの後方ランプとバイクの方向指示器が壊れただけで済みましたが、これがもし拉煤車だったら鞭打ち間違いなしだったでしょう。例によってあーだーこーだと、関係のない近所の人も交えて罵り合いが30分ほど(左端が老板、赤い帽子がバイクの持ち主)。ちょうど修理代が同じくらいだったので、痛みわけとなりました。

私はなつめを賀家湾に連れて帰るつもりでした。これまでの大家さんにいって、お金を払ってみてもらうということで了承も得ていたのです。ところが行ってみたら、なつめはふてくされてはいたけれど、特に問題がありそうでもなく、坊やと老公になでなでしてもらっていました。ゆうべは突然だったのでなつめも興奮して狼藉を働いたのでしょう。2、3日もすれば新しい環境に慣れるだろうということで、けっきょくそのまま預かってもらうことにしたのです。サンアのところにいたのは、ほんの10分ほど。すぐに賀家湾に戻り、残りの荷物を運びました。

急な坂道なので、車が付いたものが使えず(そういえば、この地でリヤカーや台車のようなものは見たことがありません)、ひとつひとつ手に持って運ぶしかないのですが、こちらの人たちはなぜか絶対に手伝ってはくれないのです。「荷物が多いねぁ」「たいへんだねぇ」というのですが、手伝おうとはしません。ただ、いえば誰でも気軽に手を貸してくれるのですが、いくらヒマそうにしていても、自ら手伝おうとはしないのです。ただじっと見ているだけです。日本ならあり得ないことですが、やはりこれもこちらの“文化”で、きっと他人の仕事に勝手に手を出すのは許されないことなんだと思います。私もよくわかりません。

おかげで、今日一日だけでも20往復くらいしましたが、皮肉なことに今日は天気が良くてとても暑かったのです。

で、とにかく引越しは完了しました。今度の部屋は前の部屋よりひとまわり大きく、隣の部屋が物置になっているし、庭に納屋もあるし、高い位置にあるので見晴らしもよく、ネットの繋がりも良さそうです。ひとり暮らしなので、電気はいくら使っても気兼ねしなくていいし、トイレも門の内側にあって、しかもおつりが来ない構造になっていて嬉しいです。

問題は、両隣が人が住んでいなくて、しかもそのすぐ先は畑で、ちょっと物騒だということです。左隣りには夫婦モノが住んでいるのですが、ダンナが出稼ぎに出てしまい、オクサンはひとりでは怖いので友達の家で暮らしているみたいです。ウチの門こそは立派ですが、実は塀は壊れていて、自由に出入りができます。そしてそこからは、日本人に追われて村人たちが逃げたという道がすぐ目と鼻の先に続いているのです。これからは毎日この道を見ながら暮らすんだなぁと、感慨深いものがあります。

あと、ネズミは絶対にいると思います。地面の上だけを這っていてくれる限りは共存できますが、さぁどうなることか?なにしろ清朝に建てられた家ですから、これからもいろいろ“楽しみな”問題が出てくると思いますので、またその都度お知らせします。

(9月15日)