ぼちぼち冬支度

すっきりした青空は拝めませんが、長雨はようやく終わったようです。まだまだ収穫の秋というには早いのですが、村人たちはインゲンやカボチャなどをせっせと取り込んでいます。日照量が不足していると思うのですが、味の方はどうなんでしょうか?

引越し荷物を運んでいたら、豆腐売りの兄ちゃんに出会いました。豆腐は現金でも買えますが、大豆と交換している人が多いようで、交換比率は1対1です(つまり100gの乾燥大豆で100gの豆腐)。写真の後方にある白い袋には、交換した大豆が入っています。現金だとだいたい1キロで4元くらいです。

隣のばあちゃんの部屋から、楽しそうな笑い声とタンタンという鎚の音が響いてきました。これは、チィエチィエといって、大豆を蒸してからひとつずつ石の台の上で潰して、それを乾燥させたもので、粟粥の中には必ず入っています。この界隈では最も基本的な保存食です。

このばあちゃんが作っているのは、ジュアンジュアンといって、インゲンを茹でてから糸に通して首飾りのようにして干します。私はこれはまだ食べたことがないです。棗やとうもろこしもそうですが、こちらの保存食というのは、基本的に乾燥させたものです。漬物というのもあるにはあるらしいのですが、私はまだ見たことがありません。

谷の一番底の方に住んでいる賀さんがやって来ました。歩きながら手を休めることなく、せっせと編み物をしているのです。自分で着るセーターだそうです。賀さんはひとり暮らしで、衣食住何から何まで自分ひとりでやらなければなりません。見ているとなかなか器用な手つきで、編み目もきちんと揃っていました。

現在私の部屋の温度は20℃ちょうど。長袖のシャツにフリースをはおっています。朝夕はめっきり涼しくなりました。黄土高原ではもうぼちぼち冬支度が始まっているのです。

(9月13日)