摩托車来了!

太原に行っていた用事のひとつは、バイク(摩托車)を買うことでした。とにかく、足がないことには身動きできない状態になっていて、まずは離石で買おうと思ったのですが、離石にはごく一般的なガタイのでかいバイクと、町中で乗るスクーターしかありませんでした。私は山道で乗るので、車高がある程度あって、かつ小型のものがほしかったのです。

それで太原まで行って、今は新聞社に勤めているグオウェイに付き合ってもらってバイク屋をまわりました。条件としては、とにかくつま先だけでもいいから両足が同時に地面に着くことと、車重がなるべく軽く、かつ山道が登れる馬力があること。

しかし、そもそも女性や老人が乗ることを想定してないので、ほとんど90%以上が、125ccの中型車(それ以上の排気量のものはほとんどない)で、しかもゴツイ形のものばかり。小型のものというと、電動車になってしまい、これでは山道は登りません。けっきょく写真のものしかなかったのですが、排気量は70ccなので登坂能力が不安です。店主はそもそも私がどんなところに住んでいるか想像もつかないので、「没問題、没問題!」と太鼓判を押したのですが、結果的には、谷の中腹にある私のところまで降りてくる道を、降りたら最後、登ることができないのです。仕方なく、今は村長さんの家に停めてあります。

で、太原で2800元で購入して、離石まではトラックで運送してもらいました。問題は離石から賀家湾までの30kmほどですが、私にもちょっと自信がありませんでした。なにしろ20年以上、ただの一度も乗ったことがないからです。さて、どうしたものかと思案していたところ、以前賀家湾小学校の先生をしていて、いま西安にいるイーハーから、離石にいるというメールが届きました。まったく神の差配ともいうべき運のよさ、さっそく彼に招賢まで乗ってきてもらったのです。

そこから賀家湾までは2kmほど。平坦な舗装道路ならともかく、ガタガタボコボコクネクネの山道を、崖っぷちを目の端に捉えながらアクセルふかすことがどんなに恐ろしいか。冷や汗がたらたら流れました。昔とった杵柄とはいえ、最高時速40km、山道では20kmを肝に銘じて、しばらくは謙虚の上にも謙虚を重ねて、日々トレーニングに励むつもりです。(ふたり乗りは絶対にしないつもりで、後ろの座席をはずし、なつめが乗る段ボール箱を据え付けました。)

段々畑の緑もこんなになりました。手前の畑はサツマイモ、真ん中あたりの緑は棗の木です。

(7月31日)