和諧号

(ようやくネットが繋がりました)

18日12:41の「和諧号」に乗って3時間で太原に着き、バスで離石まで来て一泊して、翌日午後、賀家湾に戻りました。朝早めの列車に乗っていれば、その日のうちに帰れます。ほんと、信じがたいです。

「和諧」というのは、調和がとれている、という意味で、今の中国ではどこにいってもこの言葉、“和諧社会”をみなで建設しようといったようなスローガンが氾濫しています。新しい特急はみな「和諧号」のようで、私が乗ったことがある、北京→天津も、北京→瀋陽も「和諧号」でした。車両も同じです。

今回乗った北京西→太原は、どうやら在来線の線路を走っているようで、“新幹線”みたいな超特急ということはありませんでした。電光掲示板に走行時速が刻々表示されるのですが、百数十キロから200キロくらいの間が多く、日本の「あずさ」並みの速度でしょうか。ウトウトしていたら車内放送で、「もうじき最高速度を記録します‥‥洗面所内は揺れるのでご注意を‥‥」とかいっているので、注意して見ていたら、245キロというのが一瞬表示されました。おそらくこれが最高時速だと思います。

もともと坂やカーブが多い路線なのでかなり揺れて、乗り心地は日本の新幹線にはとても及びません。座席もあまり座り心地がよくなくて、肘掛もなく、となりのおっさんがはみ出てくるのが気になりました。日本と違うのは、乗務員がスチュワーデスのような格好をしていて、ペットボトルの水を1本ずつサービスしてくれるのと、弁当の注文を取りに来て、座席まで運んでくれるところ。もちろん一番違うのは料金で、2等で157元、2400円ほどですが、これはバスの料金とほとんど変わらず、バスの利用客は激減することでしょう。みな個人経営なのでたいへんだと思います。

ところで157元というのは、高いのか安いのか?私がいまいる賀家湾の村人にとっては、もちろんものすごく高いです。出稼ぎに出ない限り、現金収入は年間でひとり1000元程度。私が払っている家賃は1ヵ月30元。電気代はフツーの家庭で月10元程度。麺を作る小麦粉が月50元ほど。野菜は自家生産で、卵は1.5キロで10元。離石まで行く10元のバス代だって高いです。

ところが、写真は離石のケンタで隣に座った肥満中学生。フライドチキンのバケツにコーラの大瓶にデザートにコーン。これだけでたぶん7、80元。ついで、もうひとつ隣のテーブルに座っていた3、4人の、これも高校生とおぼしき女性たちはゆうに100元は超えているものを注文し、たくさん残して帰りました。彼ら(の親)にとって157元の「和諧」号は、もちろん高くないはずです。

この写真は、ケンタを出たところで、ケンカしてるとこ。こっちの人は“手が早い”というか、“血の気が多い”というか、ケンカは娯楽かしらと思うくらいしょっちゅうやってます。しかも一般大衆は、おう、やれやれ、といった感じで高みの見物を決め込み、決して止めようとはしません。仲裁に入るとしても地位のある年長者でなければならず、若造がカッコつけてまあまあなんて止めに入ろうとすれば、その人が“袋叩き”に遭います。

帰ったその夜9時頃には停電になりましたが、下の招賢の町から、風に乗って朗々とした歌声が響いて来ました。葬儀です。あぁ村に帰ったなぁとしみじみ思いました。室温は出るときがようやく10℃を超えたところでしたが、いまは16℃、外も寒くありません。なつめは、大家さんにかわいがられてとても元気でした。これはまた次に。

そうそう、北京西駅構内に吉野家が開店していました。吉野屋は北京ではよく見かけます。

(4月20日