広角レンズ

今度出る本の表紙には、ぜひ“人類遺産”の段々畑をと思って、大枚6万なんぼを支払って広角レンズなるものを購入したのですが、いざ撮らなければとなると、なかなか難しいです。ポイントはすでに決まっていて、樊家山の一番高いところにある廟のところです。この界隈ではどうやら最も高度があるようで、360度段々畑を見ることができます。しかしまずは天気の問題。こちらに戻った当初はむしろ青空が広がっていたのですが、なにしろ風邪を持って帰ってきたし、山の上は氷点下なので、外出はひかえました。

それでようやく体調を取り戻した頃には、天気が悪くなって、しばらく曇りの日が続きました。なかなか晴れないなぁと思っていたら、どうやら曇り空というより、黄砂のようです。ありゃーこりゃダメだわ、とあきらめかけていたら一昨日雨が少し降り、昨日は晴れたのですが、その水分が日中の陽光で蒸発するので、遠くの方はかすんでいてダメ。それで、今日撮らないと、また地面が乾燥すれば黄砂が舞い上がるので、何が何でもと、三脚まで用意して(使わなかったけど)樊家山まで行ってきました。

まぁまぁ晴れで、風もなかったのですが、すでに午後3時を廻っていて陽が傾き、遠くの方はかすんでいて、クリアな写真が撮れませんでした。特にそういうつもりで行かないときは遠くまでよく見通せて、“百万元の風景”だなぁと、私の一番お気に入りのポイントなのですが、皮肉なものです。

この先は当分黄砂が舞う季節なので、今日以上に見通せる日はないかもしれません。ひと雨降って、その後の条件さえよければ、もう一度行ってみますが、ちょっとどうなるか未確定。

それに、広角レンズ(10-20mm)って、もちろん初めて使うんですが、自分の実際の視界より広く写るので、手前にじゃまなものが入ってしまうことが多いですね。向こうの山の段々畑を撮りたいのに、自分の足元の畑がどうしても入ってしまって、引いちゃえば広角の意味はないし、あとでトリミングするんでしょうか?三脚使って、シャッター速度を遅くすれば、遠くの景色も比較的きれいに撮れるというのは知っているのですが、オートでしか撮ったことがないので、めんどうで。ちょっとこれからいろいろ撮ってみて勉強します。と、こんないい加減な“写真家”は、まず私をおいていないでしょうね。今度5月に出る本は、いちおう“写真集”らしきものになるはずです。(証言集は8月出版の予定、つまり2冊出ます)

(2月14日)