天津駅

10日間の修学旅行が終わって、一行は瀋陽から一気に天津まで。かつては考えられなかったことですが、瀋陽→北京が4時間、北京→天津が30分でむすばれるようになったのです。ところが、そんなに便利になったというのに、最後の夜に天津一の老舗「狗不理」で食べたものに問題があったようで、私は下痢と嘔吐が続き、あえなくダウン。数人の生徒たちにもいくらか影響が出たようですが、とやかくいってられないので、とにかく船に乗ってもらいました。今頃はまだ船の中です。

天津でもう一泊したのち、今日太原まで戻るつもりでしたが、天津駅まで来てもうびっくり仰天!!国慶節休暇の人の大波だったのです。多い時間帯には15分、20分に1本出ている「和諧号」(和諧=調和)がすべからく売り切れて5時間待ち。ところが待合室の椅子にすら座らせてもらえず、外に出ようと思っても、荷物(なつめのエサやおもちゃを買い込み、巨大なものになっていた)を預けるコインロッカーが、この新設の巨大駅になんと、各階に22個づつしかなく、普通のカウンターで預かるところも一ヵ所もなしとは、いったいどうなっているんでしょう?

1時間待ってようやく荷物を預け、外に出てみました。新設の天津駅も巨大なもので、特にロータリーが広大なのは、前は海河に臨み左右に橋があって、“防衛上”守られた地形に立地するからでしょうか。ただし、広すぎてもう外来者には不便この上ない駅なのです。バスやタクシーがすべて地下にもぐっているのは見栄えはいいにしても、そもそも河に沿って蛇行した地形の上に最新式のロータリー構造をとっているため、東西南北がさっぱりわからず、一度行った場所に再び戻ることがきわめて難しいラビリンスステーションなのです。ロータリーの地下にたしか土産物屋が並んでいたはずですが(そこで買った栗がおいしかったので)、今日はついにそれを見つけられませんでした。まぁ私が方向オンチということもありますが。

今日で4回目になる「和諧号」は(北京→瀋陽も「和諧号」)、最高時速が334km(電光掲示板で見た限りでは)、1等車が4列、2等車が5列で、シートは日本よりやや硬め。ところどころ向き合わせの席に大き目のテーブルが設置してあって、これはトランプ好きの中国人のためか?荷物置き場が大きくとってあるのも、中国仕様。通路をしきるドアーは全部ハードプラスチック製で向こう側が見通せ、トイレも日本よりオシャレな感じです。開通して初めての休暇のため、まずは乗ってみたいという子供連れ、老親連れで車内はとても賑やかでした。

そしてなにより、スチュワーデスのような服務員が1本1本水を配ってくれるのが日本とは大違いのサービスです。「TIBET SPRING」という、チベットのミネラルウォーターらしく、能書きによると、標高5100mの原生林で、水源地の周囲60平方kmを密閉保護区とし、ドイツの先進技術を使ってくみ上げたものだそうで、高純度のミネラルを含み人体にとてもいい水だそうです。たしかにねっとりとした甘みがあり、これまでに飲んだことのない味ではあります。「和諧号」専用のミネラルウォーターだそうですが、この膨大な量になる水資源を、チベットの深山に眠る森林から、無理やりたたき起こしてガンガン搾取している有限公司が、せめてチベットの民たちの運営であることを祈るばかりです。

まぁとにかく、人波にもまれて北京ユースホステルに到着しました。相変わらず疲れ果てているので、ここまでです。