“親日教育”

5年生を担当している郭先生が、授業で何かしゃべってくれない?というので、3日目の昼過ぎに30人ほどの子供たちを前に30分ほど話をしました。私の中国語などお粗末きわまりないので、黒板に字や地図を書いて、身振り手振りの授業です。なぜか他の先生たちもやって来ました。

まず黒板に「こんにちわ」「私は日本から来ました」「今日は非常に暑いです」と3つの日本語を書き、日本語で読みました。もちろんみんなきょとんとしています。次に、「こんにちわ」は別として、下のふたつの日本語の意味を推測してもらいました。中国語では「私→我」「暑→熱」ですが、推測は可能です。「日本、来、今日、非常」は中国語も同じです。結果は思ったとおり、簡単にいい当てることができたのです。がぜん彼らは私の話に乗ってきました。日本語と中国語がこんなに近い言葉だとは思ってもいなかったからです。一般に中国人は、日本語が漢字を使う言語であることを知りません。

なぜ日本人は漢字を使うのか?私は「渡来人」「遣唐使」「孫文魯迅周恩来の日本留学」の3つについて、地図を使って簡単に話しました。なにしろド田舎の小学校5年生ですから、日中関係史など、日本の侵略以外に教えられてはいません。自分たちが今住んでいる黄河流域を祖の地とする人々の血が、現代の日本人の中に流れ込んでいるという話は、彼らにとって新鮮な驚きだったようです。侵略の歴史はもちろん忘れてはいけないけれど、同時に日中の歴史はとても長い時間の中にあること、これからの若い世代に一番大事なことは、日中友好!!ということで話を締めくくりました。

そしておまけとして、テレビ普及のおかげで中国人ならまず誰でも知っている、「バカヤロー」「メシメシ」「ヨシ」の3つの日本語の発音を正す練習をしたのですが、これが子供たちにもっとも受けたのはいうまでもありません。

(6月15日)


写真;なんと、子供たちの写真を1枚も撮ってないのです。次に行ったときに撮ってアップします。かわりといっては何ですが、またぞろなつめでも。なつめはほんとうに表情豊かな犬です。