儒仏混淆?

私たち10人は、5日に友誼関から“歩いて”国境を越え、ハノイ到着。そして8日に飛行機でダナンに移動し、そこから30キロほど南にあるホイアンという町に向かいました。ホイアンは、16、17世紀に“南蛮貿易”の拠点として繁栄した町で、ユネスコ世界文化遺産に登録されています。かつては日本人町があったようですが、徳川幕府鎖国政策のために撤退し、現在残っているのは、ほとんど中国人が造った建造物のようです。ベトナム戦争時、米軍基地があったダナンからすぐ近くなのに、破壊されずに残ったのは幸運でした。

私たちは空港から2台のタクシーに乗って移動したのですが、途中で“とんでもない”光景に出くわしたのです。もうおわかりですね、私が黙って見過ごすはずはありません。ドライバーに停車を求め、生徒をほったらかしにして、私は走って現場に向かったのです。見ると、中国と同じで、プロのカメラマンが記録を撮っていたので、私も遠慮なく撮らせていただきました。



私ももちろん、儒教や仏教の作法に詳しいわけではまったくありません。ただ、この10年間、村でさんざん見てきた葬儀の様子は、ほぼ儒教の作法に則っているはずです。それと比較しての話ですが、同じ所もあれば、違うところもあって、ほぼ仏式だなとは思います。とまあ、あいまいきわまりないのですが、これらはいずれベトナム人に聞いてみたいと思っています。

この親族が着ている白い葬衣は、儒教の孝衣と同じですが、白いハチマキはどちらなんでしょう?この右側にいる派手な衣装を着た人は、閻魔さまみたいに思えますが、そうなると仏教ですね。



お供えの中に札束が見えますが、ウチらの葬儀では、お札は必ず付きものです。仏式でもそうなんでしょうか?


供え物はその場ですべて燃やして、あの世に届けます。これもウチらと同じ。



おそらくこれが霊柩車だと思います。花はすべて生花で、蘭の見事さには思わずため息が出てしまいます。


これが先導車で、おそらくは親族や閻魔さま(?)が乗る車。下世話ですが、日本だったら、花代だけでいったいいくらかかるでしょう?


ISUZU車には花輪がどっさり。故人もすでに高齢だし、かなり裕福な家の葬儀でしょう。



圧巻だったのが、この仏教旗を掲げた“暴走族”まがいの集団。かつては当然徒歩で、野辺送りの行列をなしたのでしょうね。この仏教旗というのをベトナムの寺院ではよく見たし、中国でもときどき目にしますが、日本では見た記憶がないので、Wikiで調べてみました。それもそのはず、かなり新しいもので、1885年にセイロンのコロンボでデザインされたものだそうです。私ひとりだったら、こういうときにはずうずうしく、私も連れてって!とバイクの後ろに飛び乗ったでしょうね。残念です。埋葬の現場が見たかったです。