中国格安航空券事情

また少し時間が戻ります。

私は15日朝、大連空港で生徒たちを見送ってからホテルに戻って休み、再び空港に向かったのは午後7時頃でした。なるべく遅い時間に北京につき、空港で夜を明かして、翌朝9時半のEtihadフライトで名古屋に向かうためです。

で、話は飛びますが、ここで現代中国の格安航空券事情について書いてみます。これがなかなかにおもしろいのです。

航空券はほとんどすべてがネット購入です。私は「C-trip」というサイトを使っていますが、ここは恐らく中国最大手で、列車の切符からホテルの予約、団体旅行の受付、ネットショッピングまですべてやっていて、日本の「楽天」みたいなものでしょうか。

面白いのは、航空券の価格の変動です。需給バランスによって日々変化し、場合によっては鉄道よりも安くなることがあります(鉄道は国営なので、いくら空いていたとしても変わりません)。需要が少なければ当然安くなりますが、下がるのを待っていると、直前になって突然上がったりします。だから、毎日ネットで確認しながら、頃合を見計らってえいっ!とばかりに予約を入れるのです。確定したら、30分以内に入金しないと権利は喪失します。

入金は、私の場合ネット銀行を使っています。最近になってようやくこれの登録が認められました。誰でも加入できるわけではなく、特に外国人には厳しいのです。私の場合、離石の中国銀行の人が私の顔を知っていて、それで使えるようになりました。説明が難しいのですが、銀行からもらった小さな器具と携帯電話を使ってやります。出入金されると、間を置くことなく、ケータイの方に連絡が入って、安全確実です。

今回、15日の大連→北京のチケットは、260元ほどで購入しました。これに石油税がつくので384元でしたが、特急列車よりずっと安い金額です。しかし、いろいろ問題もあって、今回こんなことがありました。

私はこのチケットをかなり早い時期に購入していたのですが、その後になって、フライトスケジュールの変更というのがケータイに入りました。午後11時過ぎの出発だったのが、同じ日の午前7時に変更になったというのです。こんな無茶苦茶な変更に予定を合わせられる人がいるとも思えませんが、要するに客が少なかったのでしょう、こちら側の都合などおかまいなしです。私はすぐさまキャンセルを希望したのですが、中国では、一度払ったお金を全額取り戻すというのは至難の業です。キャンセルではなくフライトを替えて欲しいとあれこれ電話口でいうのですが、それがまた飛ばない可能性だって否定できないのです。安ければ安いほど危険ということです。結局、ハルビンにいたときに、中国人の友人に電話してもらって、全額返って来ました。それで、出発の3日前まで待って、再度今回のチケットを購入したわけです。なぜなら、翌朝には国際線の飛行機に乗らなければならないので、突然飛ばない、といわれたら目も当てられないことになるからです。ですから私は、最終のフライトではなく、3本早いフライトを予約しました。つまり、大連→北京の間には、鉄道並みの本数があるということです。

そしてついおととい、北京→呂梁の航空券は、税込みで420元。今年春に開港した呂梁空港を初めて使いました。これまで、北京空港から北京西駅まで出て、そこから太原行きの特急に乗り、太原からバスに乗って離石まで戻っていたわけですが(当然途中で1泊)、何分にも荷物が多いので、ほんと〜に楽チンになりました。しかも安い!以前ネット上で、100元を切っていたのを覚えています。

で、昼前に離石に着いたのですが、いろいろ雑用もあり、7天泊まり。今日起きたら雨が降っていたので、2泊目。とにかく身体を休めないとこの先使い物にならないので、部屋の中でごろごろしています。御嶽山噴火のニュースは見ました。御嶽山は、私の松本の部屋からはよく見えます。何度も登ったことがあります。ほんとうに日本は、予期せぬ災害に次々見舞われているように思いますが、いえ、日本だけではないのでしょうね。

*上掲写真は大連空港界隈。不思議に思われるかもしれませんが、大連空港は、これほど街中にあるのです。中心部から路線バスに乗って、「飛行場」というバス停で降りたところで撮ったもの。空港ターミナルへは、ここから歩いて10分です。

*写真を2枚追加します。

大連から渤海を経てすぐのところでしたから、おそらくは「秦皇島」だと思いますが、飛行ルートによっては、もしかしたら「葫芦島」かも知れません。戦後、“満州”に取り残された日本人居留民が、ここの港から帰国船に乗り込んだ町です。


そして、深夜0時近くの北京空港。さすがにがらんとしていますが、これは国内線が主の第2ターミナルだから。国際線専用の第3ターミナルは、24時間フル稼働しています。第2と第3は、空港の真反対側にあるのですが、ぐるりと回りこまなければならないので、ものすごく遠いのです。これを間違えるとトンデモナイことになります。シャトルバスが24時間運行されていて、正真正銘の不夜空港です。