堵車(duche)

きのう離石へ行ってきました。なんとしてでもシャワーが浴びたかったのと、コーヒーに入れる粉末のクリームを買うのが主目的です。離石へは日帰りできます。

いつも泊まる七天連鎖酒店は、4時間で60元という時間貸しがあって、これはこちらではどこのホテルでもまずやっています。はっきりいって、“ラブホ”として、あるいは“バクチ部屋”として使われるのがほとんどではないかと、私は睨んでます。そちらが主経営であるようなホテルもあるようですが、七天は全国チェーンでもあり、割合にきちんとしていて、仕事で使っている人もいるようです。

で、ホテルを出て、予定より早めの5時くらいに、招賢行きのバスに乗りました。これは早く着きすぎて、招賢から村までの山道がしんどいな、せっかくシャワーも浴びたのに、また汗だく。。。なんて思っていたのですが。。。

途中で堵車です。原因ははっきりしていて、拉煤車(lameiche)が例によって傍若無人に他人の迷惑を顧みず、ルール無視をしているからです。この道路は一般的に片側一車線で、道幅はそこそこありますが、路肩が弱いので両端は空けておかなければならないのです。

上の写真で、両端の車は同じ方向を向いていて、真ん中に反対側からやってくる車が映っていますが、右側のトラックはみな停車中です。ここは、炭鉱のある招賢から2つ手前の村ですが、半年ばかり前から、この辺りにトラックを停車させて、石炭を積み出す順番を待つようになったのです。長蛇の列です。しかも、日本では滅多に見ることのない大型車で、車輪は24個付いています。以前は、こんなところでは見たことがない光景でした。

右側が塞がれている(中国は右側通行)ので、一般車が左側を通ろうとすると、向こうからやって来た大型車とぶつかって、動きが取れなくなるのです。酷いときには左側にも停車していて、しかも運転手はどっかでご休憩なので、もうにっちもさっちも行かなくなって、1時間2時間ということだってあるのです。

こういう状況はここに限らず、私が当地にやってきたはなからさんざん遭遇してきたことで、どうして「基本ルールを守れない」のか、なぜ「先に譲るということを知らない」のか、情けなくて、哀しくなって、心の中でざーざー涙雨だったことは数え切れないです。

その上に、「すみません」のひとことは、彼らには存在しないので、あちこちでヤクザまがいのけんかが始まり、時の状況によってはどんどん日が暮れて、帰るに帰れず、戻るに戻れず、「もう日本に帰りたい」と嘆息したことすら何回も。。。

今回も日が暮れそうになったので、ついにバスを降りて歩き出しました。村までは2時間かかります。日が暮れると、昼間はおとなしい犬たちが、暗闇から襲い掛かってくることがあって危険なのです。結果的に、途中で開通してバスに拾ってもらい、ちょうど運転手に用事があったみたいで、村まで送ってくれたので助かりました。

トラックのナンバーを見ると、山西省よりも陝西省の方が多いようでした。今は開発の手は西部地域に重点が移り、村から出稼ぎに行く人も、甘粛省、新彊省へという声を聞くようになりました。いったいぜんたいこの先どこまで“開発”するつもりなんでしょうか?


3ヶ月ほど前に修理したばかりの、村に入る道路。何回でも崩れます。おそらくはこの下を坑道が通っているのではないかと思います。