窓紙(チュアンジー)

23日に電気工事を済ませて、いよいよ窓紙を貼ります。とにかく、たまりにたまっていた砂ぼこりを全部掃き出してから最後に貼るつもりでした。10回くらいは箒で、土間やカンの上を掃きましたが、いくらやってもキリがなく、相変わらず龍角散のような煙が舞い上がります。

まずは、小麦粉を水で溶いて煮て、糊を作らなければならないのですが、これとて私はやったことがないので、薛老師に頼んだのですが、イエチンという名の坊やがやってくれました。庭に転がっていたレンガと土管だけで簡単なかまどを作って、洗面器で煮るのです。なぜか電気調理器では作れないのだそうです。イエチンは実に器用に素早く作業にとりかかり、洗面器半分くらいの糊を作ってくれました。こういう“知恵”というのは、今の日本の若者には、いえ若者だけでなく、日本人にはないなぁと思います。

ちょうどとなりのばあちゃんの顔を見たので、手伝ってくれない?というと、さっそく出番とばかりに道具をそろえてやってきて、何から何まで全部やってくれました。どんな作業にも当然経験というものが必要であり、ばあちゃんたちはこの数十年間をかけて腕を磨いてきたのです。それほど難しい作業でもないのですが、これもやはり“暮らしの知恵”がないと、けっきょく大風が吹くとめくれてしまったりするんですね。ばあちゃんの仕事は完璧でした。

扉にも同じように紙を貼ります。この紙は窓紙と呼ばれて、85×58センチほど。日本の障子紙よりやや厚めですが、これがもうほんとうに強い紙なのです。あの強烈な黄砂にびくともしないし、雨に濡れても破れません。窓紙は毎年貼り替えるわけでもなく、2、3年に1度くらい、やはり春節の前に貼り替えることが多いようです。

外から見るとこんな感じで、だんだん私の部屋が完成してゆくのがわかります。今日は、最後の部分を残して終わったので(みんなご飯も食べずにやってくれたのです)、すべて完成した写真はまた明日にでも。

(4月27日)