走了(ゾウラ)

私が取材した老人たちの安否を確かめるために、今日は、六六という青年のバイクで5つの村を回ってきました。安否確認だけなら私ひとりでも行けるのですが、この写真のように山の上にある村々だったので、排気量の小さい私のバイクでは登りきれないからです。

こちらでは、人が亡くなったことを「走了」といいます。誰かが来て帰ったときも、バスがすでに出てしまったときも、まったく同じように「走了」といいます。
日本のように例えば、ちょっと声をひそめて「実は、お亡くなりになったのよぉ」といった感じはなく、あっけらかんと「走了走了」です。今日は全部で25人の老人の安否が確認でき、8人がすでに亡くなっていました。

すべての人を訪ねたわけではありません。村の入り口で3、4人たむろしているところで声をかければ、またたくまに消息はわかるのです。日本のように高齢者が行方不明になるということは、ここではありません。

(12月1日)