年軽人、到“体制内”去

清明節休暇で太原から戻ってきた人からお土産をもらいました。ただし、お土産はともかく、それを包んでいた古新聞紙が興味深い記事を載せていたのです。タイトルはズバリ、「若者は体制内をめざす」。2月24日付け『南方周末』という週刊紙ですが、一般に手に入る全国紙の中では“最硬派”といわれている新聞です。その一面記事の前段の部分をざっと訳してみました。
   
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2月14日、大多数の若者にとってこの日はバレンタインデーであるが、街のオフィスで働く31歳の沈娜にとっては、国家公務員試験に備える長い長い日々の代わり映えのない普通の1日にすぎない。

2003年大学を卒業後、彼女は連続8回、国家公務員試験を受験した。理由は単純明快で、公務員になりたいからだ。

いかなる誘惑があろうとも、彼女は仕事が終わってからの時間は、ひたすら『申論』と『行政職業能力測験』の復習にあてた。実のところをいえば、どのページもすでに理解していて、この2冊で800ページに満たない公務員試験復習資料を、彼女は繰り返し8年間精読してきた。

運に恵まれなかったことを除けば、沈娜が連続8年公務員試験に失敗した原因は、ここ数年、競争率が激しさを増しているからだといえるだろう。2011年国家公務員試験の受験志願者は再び記録を塗り変え、140万人超、2009年以来3年連続で100万を超えた。最高齢受験者は35歳であり、これは受験資格者の上限である。倍率は87.5倍、もっとも人気の高い上位6つの職務に関しては3000倍以上という空前の記録を示した。
(中略)

若者たちは次第に自らの人生を“公的職務”にゆだねることを希望するようになった。そして公務員、中央あるいは大型国営企業に人気が集中している。2008年中国青年報社リサーチセンターのある調査によると、国営企業に入社を希望する大卒生は、2007年の14.6%から19.2%に増加し、外資系企業を希望する者は50.2%から42.4%に下がった。

沈娜の“同道者”の数は現在爆発的に増えている。20年前、市場経済が目覚しく発展するに従って、体制外の空気は活力とチャンスに満ち満ちていた。多くの若者たちが競って“体制”から出て行き、外資系に未来を見出し、あるいは“大洋で砂金を探す”道をめざした。20年後、こっそりと方向を変えた彼らの人生の指揮棒は、これまでとは反対の方向を指し示すようになったのである−−若者は“体制内”をめざす!

市民の幸福感に関する調査によると、共産党の組織、国営事業に携わる幹部の、“非常に幸福である”が占める割合は最高である。安定、高福祉、保障、安全感。これらは目下、何ものにも変えがたい収益である。現在、中国の若者たちは体制内へと、大量に回帰している。